ノルドアの絵本。

ノルドアの絵本より

 かつて、この世界には、三つの世界がありました。

 天世界

 魔世界

 聖世界

 の三つで御座います。

 三つの世界は、時空存在扉によって繋がっており、扉には、番人がおり、三つの世界を隔てております。

 世界は、元は一つでありました。

 あらゆるものは、一つでありました。

 分裂し、複数と成りました世界に於きましても、生贄の法則より、一つとなるでしょう。

 

 世界は無でした。

 圧力が生まれました。

 圧力は〇の世界に、陰陽を、正負を、作り出しました。

 つまり、+、-を作り出しました。

 +、-は、粒子と成りました。

 粒子やがて力を持ち出しました。

 やがて、四つの力に分裂しました。

 四つの力と素粒子は、原子を作り出しました。

 原子は化合物を作り出し、惑星を作り出し、生命を作りました。

 生命は、生命を生贄に、何かを作り出そうとしています。

 生命は悩みました。

 生命は、何になろうとしているのか。 

 宇宙の向かう先は何処なのか。

 人工知能。

 機械。

 生命のつくり出したものが、生命を吸収するのか、ウイルス。遺伝子、DNA。

 

 身体が白く眩く光る 聖人

 光を喰らう 死人

 冥界の使者 犬人

 繁栄を齎す 猫人

 大海原を駆け巡る 魚人

 海の精霊 海人

 空の守護 鳥人

 大草原の覇者 獅子人

 最強の威厳 象人

 悪政を正す者 寅人

 空気の母 樹人

 石の軌跡 石人


 十二の種族と人間。

 かつて、生命の中でも、特別な、生き物の生贄の頂点に君臨した十二の種族は争いあいました。

 彼等は、世界の神であろうと努めました。

 しかし、人間は、十二の種族を陥れ、世界を支配しました。

 十二の種族の滅亡を予知した、聖人の一人、エリナは、存在の法則に気が付きました、存在濃度の存在。額に十字の紋を刻み、自らは、○○○族と成りました。

 無数の存在濃度の世界が、種族の保存として並立に存在するようになりました。

 

 創聖魔天暦 一〇〇憶二千五百年 


 記述より、二千年後

 

 予言者、カリオスの言った通り、夜中が来ます。

 夜中は、世界を一つにしようと、収束する宇宙の意志で御座います。

 時分はやってきます。

 存在が一つに収束した時、戦争を避けるために、ワンダーランドとなった時の対抗策として、魔導は存在します。

 魔道の存在。

 十二種族とある、人間の天才科学者とで、作り出した、魔法のシステム。

 

 はじまりの世界に収束する前に、ワンダーランドは、二千年続きます。

 やって来るその日迄、全種族への愛と平和を祈って。

 

 カリドニア・マクベス。

 

 アリス・デ・レベッカは、絵本を読んでいた。

 ノルドアの絵本という有名な絵本、この世界に伝わる太古からのお話ならしい。

 

 前世の記憶。

 我には前世の記憶がある。

 が、天空から落ちて来た理由も前後の記憶もこの世界の事も解らぬ。

 我は、前世では、科学者をしておった、前の世界では、ネットが発展しておった。

 我は、どうして天空から落ちてきたのか、自分の名前さえ忘れて終った。只、自分が、この世界のものでは無かった事しか分からない。

 そして舌が回らない。

 アリス・デ・レベッカは、私に名前を付けた名づけ親だ、何でも空から落ちて来たので空という名前らしい。

 「空、聴いてた。重要な絵本の話よ。私はこの話、本当にあった話だと思っているのよ。各地の残っている遺跡の記述と一致する箇所が多いのよ。魔法の存在も五百年前に証明されたしね。」

 我には、分からん。

 どうも、分からんのだ。

 

 我には分からんのだ。

 

 我は、誰だ。

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