衝撃の告白 湊川 翔の生き様

「どれだけ、正当化したって、人殺しは、人殺しさ。その十字架を背負って一生生きるんだ。」

 「分かってる。」

 「謝って来いよ。湊川 翔の両親に、家族に、友達に、彼奴が、どんな酷い事を御前にしたのかは知らないけどよお。意固地になってないでさあ。」

 凝り固まった心は、解きほぐせない。

 「もう、頭では分かっていても、心では、彼奴を許せないんだよ。許せなかったんだ、だから、殺した。それだけさ。其れに証拠は何一つ、見つかっていないだろ。」

 未だに夢に見る

 そうして、殺した感触を思い出し、嘔吐する。

 けれど、湊川を許す事は出来なかった。

 完全犯罪だ。いいんだ。

 一生魘されながら、生きて行く。

 霊が見える事も或る。

 御免と、霊に謝った事も、ある。

 悪いのは、私だけじゃない。殺された方にも、問題があった。

 事故では無い。

 私が意志を持って殺したのだ。

 けれど、此れは、此れから始まる悲劇の序章でしかなかったのだ。

 

 三つの世界が交わる点。

 後に、

 天世界 

 魔世界

 聖世界

 と言われる。三つの世界で、繰り広げられる、大戦争の本の序章に過ぎなかった。

 私が、湊川を殺した事は、決まっていたのかも知れない。

 湊川は、私の知らない所で、犯罪組織と繋がっていた。

 其れは、多くの人間を不幸にしていた。

 私は其れも知っていた。如何しようもないクズだと知っていたが、彼奴が、心の空っぽな空虚な奴だという事も知っていた、寂しい奴だとも知っていた、だから、ずっと、我慢してきた。

 けれど、私は殺した。

 その日、湊川は、暗殺の仕事を請け負っていた。

 私は、湊川に人を殺してほしくなかった。

 止めようとしたが

 あいつあ・・・。自殺した。

 

 「なあ、知ってるか、時風 来。俺は好きでこんな事してたわけじゃあ、ねえんだぜ。この世界は、時期に終わる。俺はこの世界の人間では無い。ゲホゲホ。」

 血反吐を吐いていた。

 「何言ってんだ御前。」

 「ははは。御前もその内分かるさ。この額の十字架をよく覚えて置きな。此れが、どれほど、重いものなのか、分かる時がくるだろうさ。」

 「大丈夫か。」

 「始まりは、中二の或る日の晩の事だった。突然隕石が落下して、俺の生きていた世界は滅びた。その時額が光初めて俺はこの世界に飛ばされた。」

 何を言っているのだろうか。そんなはず、或るはずが無い、そう思っていた。

 「御前を、からかって、苛めた理由が分かるか。御前の為だ。御前を助ける為だ。もう時間がねえ。今日話した内容は、時期に忘れちまうだろう。御前は、危なっかしかった、遺伝子に刻み込まれた聖人族の思想を全うに体現したような奴だ。だから、御前の小説を破いた。俺が、犯罪組織に加担しているのは、あの組織のボスが、俺たちの敵だからだ、彼奴は、二億年前、あの世界を滅ぼした、人族 。だが、其れも今日で御終いだ。この日に俺が死ぬこともまた、決まっていた事だ。御前は、自分が殺したと錯覚するだろうが、いずれ思い出す事だろう。」

 

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