火拠瑠玖(ひよるく)文字

 量子コンピュータは、情報をテレポートさせた。

 瞬間移動だ。

 私達は、ヒックス粒子の中にいるのだ。

 そして、時間の中に縛られている。電磁気相互作用の中で、生み出された存在に過ぎないのだ。

 其れが、原子を結び付け、造り出した構造に過ぎないのだ。

 其の原子は、弱い力により、核が結合し合い、様々な種類の原子を作り出す。

 其の核は、強い力により、素粒子が、結合し合って出来ているのだ。

 力の媒介粒子として、ウィークボソン、グルーオン、グラビトン、フォトンがあるのだ。

 其れ等は、紐の振動の仕方によって、記述する事が、出来る。

 世界は、粒子であり、振動でもある。

 周期性があるのだ。

 世界に周期性があるのは、此の為であろう。

 ブラックホールとは、外側の世界に繋がる穴の事だろう。丁度、風船に小さな穴が開くような、イメージだ。

 この世界は、外の世界に包まれている。其処には、別の力が、働いているはずだ。

 銀河と銀河を結びつける、銀河力。

 宇宙と宇宙と結びつける、宇宙力だ。

 世界は、その層ごとに、相互作用し、重力だけが、そのどれもに、介入する事が、できる。

 丁度、強い力や、弱い力は、粒子レベルである事と、同様に、外の世界から、すれば、我々の住んでいる宇宙の結合作用は原子核レベルの処理なのだ。

 私達は、其れを観測する事が、出来ていない。孰れは、分かるだろう。現在、暗黒物質、ダークマターと呼ばれている、未知の領域は、これ等の作用によるもので在るのだ。

 人殺しなんて、バカな事だ、とは、思わないかね。


 魂の有無について。

 魂など、存在しない。

 其れは、念力という、振動による、ものだ。

 念力は、脳内の神経作用による、もので在り、其れは、電磁気力の作用である、と考えられる。

 時間の有無について。

 時間は、一定の速さではなく、時間自体にも、速さが存在する。

 時間加速度が存在し、時間自体も、微積が可能になっており、空間を創り、点を創りだす。

 時間には、終点と、始点が無く、其れは、開始時間を、勝手に決める事でしか、達成されない。

 時間の始まりについては、未だ未解明な部分が、多い。

 空間は、時間の前にあったのか、時間が先に出来たのかについても、考察の余地が存在するであろう。

 我々にとって、宇宙は、絶大なる作用を持つもので在り、社会に大きく関与する問題だ。

 知らず知らずのうちに、宇宙の作用を受けているのは、事実だ。

 何かの発生には、必ず原因が存在する。

 ウイルスの発生については、此れも、宇宙の相互作用だと、考えるべきだろう。

 人類が、ウイルスの存在をより、強く認識すべきなのは、言うまでもない事だ。

 ウイルスは、兵器だ。

 コンピュータウイルス、そういったものも存在する。マルウェアだ。

 ミクロに、構造を破壊できる、が、其れは、マクロの維持にもなっている。

 これ等のシステムの解析は、今後の人類に多大なる、功績を齎すであろう。

 そのために、生命実験に於いて、我々は、ウイルス学をより、研究するべきであり、その兵器的開発は、無意味だ。寧ろウイルスのメカニズムの解析こそが、生命の起源を知る手がかりとなり、生体と、ウイルスの相互関係をしる上で重大なる、研究成果を齎すのである。

 飲食店の無意味さ。

 其れは、事実だ。

 自動化できるからだ。

 世界は、自動化する宿命にある。

 遺伝子操作により、より、美味しく、栄養価の高い食物の開発が、進だろう。

 交通システムは、自動化し、事故が、激減すると、同時に、別の犯罪が、増加するであろう。

 子供を、デザインするように、なるだろう。

 機械と、生物が、融合するであろう。

 脳に情報を流し込む事で、移動する様になるだろう。

 肉体を別の場所に保管し、其れを、運動させ維持するように、なるだろう。

 つまり、精神と、肉体は、分離する様になるだろう。

 精神は、機械に乗り移ったり、肉体に乗り移ったり、自由に、物体を使うようになるだろう。

 女の身体に乗り移ったり、ロボットの体に乗り移ったり、其れ等がレンタルされたり、買い取ったりできるようになるのだ。

 生れた時に、精神と肉体を分離し、其の肉体の所有権を持つが、其れを売る事も可能なのだ。精神は、肉体とは、別だからだ。

 肉体を乗り換える事もできる。

 生まれつきの肉体に不満のあった人は、市販の肉体を買って、その肉体で、暮らす事が出来るのだ。

 遺伝子DNAの仕組みを、取り入れた家が、開発され、自動修復性を持ち、まるで生きているかの様に、傷を修復したり、汚れを除去しようとするのだ。

 生命の構造を機械に植え付ける事で、生命特有の自動修復性を獲得させたのである。

 

 悍ましい事だよ。

 カルドレアは、右目を見て来た、人類の歴史を思い返し、吐き気を催した。

 あれは、人間の姿では、無い。

 身体は、気味の悪い化け物になっていた。

 あの時代の人間は、細胞が、交じり合い、機械が、身体に結び付き、人間の願望が、結合した、惨たらしい時代だった。

 一億年前の時を思い出す。

 「どうしたんです。カルドレアさん・・・。」

 社は、不思議そうに、カルドレアが、洗面所で、吐いているのを眺めていた。

 「いいや、ちょっと、かつて、を思い出していてね。おええええええええ。」

 「汚いですよ。」

 社は、軽蔑の目で、カルドレアを眺めた。

 「ま、この装置を使えば、額の能力が、発現し、存在濃度が、選択できるであろう。」

 社は、訝しんだ。

 このような、高性能な、機器、其れも、現代科学では、到底不可能な領域の機器をどのようにして、獲得したのだろうかと疑問に思った。

 「なんだ。信じていないのかい。それも無理は、ないだろうね。此れは、ある種の、古代文明だからね。」

 「古代文明?。」

 社は、その言葉に。かなりの胡散臭さと、信用の出来ない、詐欺師の匂いを覚えていた。

 「ああ、そうだよ。古代文明さ。かつて、君たちの一族が、作り出したものさ。」

 カルドレアは、社の目をじっとみて、話した。社は、其の目にぎょとした。眼帯を外した、その右目は、赤紫色に輝いていたのだ。

 「その右目・・・。」

 社は、恐怖した。

 世界中から忌避されている、エルテの悪魔の目だ。

 「ああ、これかい。そうだよ。その通りさ。」

 この、男も、迫害されていたのである。

 「ま、隠しているがね。」

 言葉に成らなかった。

 其の目を見て思った。この男、やはり、何か知っている。あの、瞳には、人を引き込む何かがある。

 「古代文明ねえ、まあ、信用できないが、証拠を見せてくれないか。」

 「証拠なら、あるさ。イリマエル地方のデンサン遺跡で、見つけた、この文書さ。」

 此れは!!!。

 「火拠瑠玖文字。」

 「ご名答。そう。ひよるく文字さ。よく、知っていたね。」

 此れは、一族に伝わる、古代文字の一つだ。

 「此れを読めばわかる。炭素年代で、年代測定でも、して、調べればいい。正真正銘の本物さ。」

 さっと、目を通す。確かに、書かれている。

 この装置の事が、まるまる、設計図まで、書かれている。

 「一体何のために。」

 「逃げる為さ。」

 「逃げる???。」

 「ああ、そうだ、一億年前、君たちの一族は、今よりずっと酷い迫害に会っていたのさ。それから逃れるために、別の世界へ、逃げ延びた。」

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