第53話

ロストエデンに戻った俺は麻奈やメイたちそれに副官に改めてひばりが仲間になったことを伝えた。



そして今なぜか修羅場っている…



「ご主人様、ひばり君の部屋はここが良いと思います」

そう言って麻奈が指さしたのは司令官室もとい俺の部屋から最も遠い部屋だ。


「えぇっ!?

ちょっと遠すぎるよ。できれば唯人の近くが良いんだけど。こことか」

ひばりが指さしたのは逆に最も近い部屋だ。


「絶対ダメです!そんなことはロストエデン法で認められていません」

俺の頭の上からふってくる麻奈の声。


「ロストエデン法!?

唯人、そんなのあるの?」

興奮したひばりが俺の顔の目の前数㎝まで近寄る。


(待て待て待て待て…近い近い近い!)


ひばりに顔を近づけられると、女の子に迫られている気分になる。


「いや、俺も今初めて聞いた」


麻奈は自慢げに私が作りましたと胸を張っている。


「そんなの司令官である唯人が認めてないんだから無効だよ。大体三木島さんはーーー」


その後もずっと平行線の麻奈とひばりの主張



うん、別に喧嘩するのはいいよ。いいんだけど、、、



「ダァァァァァァ!!違うとこでやれ!違うとこで!

ひばりは顔が近い。麻奈は胸を俺の頭に載せるな!ミッ◯ーマウスみたいになるだろ!」



「「じゃあご主人様(唯人)はどこがいいと思うんですか(思うの)!?」」


2人同時に俺の方を見ながらハモる。

この2人実はめっちゃ似たもの同士なんじゃないだろうか?



そこへぴょこっとメイが顔を出し「ここはー?」と指さす。

その部屋は麻奈とひばりが主張するちょうど中間ぐらいにあった。


「うわ〜、めっちゃいい位置!!完璧!!

メイはほんとお利口さんだね〜♪

よし、ここに決定!」


俺は顔を綻ばせてメイをヨシヨシした。

メイもにっこにこで「えへへ〜♪」と照れている。



「唯人ってメイちゃんにはいつもこうなの?」「そうなんです…全然勝てる気がしなくて…ある意味最強なんじゃないかと」

少し離れたところから小さな声が聞こえるが努めて無視しておく。



「「はぁ……」」

二人して深いため息をついていた。




「相変わらず騒がしいな、ここは」

そう言いながら入ってきたのは魔王だ。


「おっ、この前はごっそさん!祭り楽しかったよ」


俺は手をあげて魔王に答える。

奢ってもらったのだが、きちんとお礼を言う辺り俺って律儀なんだなぁと思う。


なのに、魔王はなぜか俺に詰め寄り


「あんたんせーでなぁ俺の資産の3割が消えてもーた!

うぅぅぅ……大事にしとったmy 宝石ちゃんたち カムバーック!」


泣きながら空中に手を伸ばす魔王


そういえば、俺の金じゃないから全く気にならなかったがユイやジェシーが食い物だけじゃなくアクセサリーやらを「コレかわいー!」とか言いながら爆買いしていた気がする。

そうか…か…


俺は笑顔で慰めてやる。


「じゃああと2回いけるやん!またお祭りあったら呼んでネ♪」


魔王は恐怖と絶望の入り混じった表情で叫んだ。


「絶対呼ぶかー!!」




「ところで、君が新しくロストエデンに加入した?祭りのときにもいたな」

相変わらずの立ち直りの早さで魔王がひばりに顔を向ける。


「あ、はい。神宮ひばりです。よろしくお願いします」

ひばりがお辞儀をして挨拶をする。


「また女か…さすがに女増やしすぎじゃないか?」

魔王は俺に向かって問いかける。


「「「………………………」」」


俺を含む3人(メイを除く)の非難の目が魔王に突き刺さる。

魔王は慌てて


「えっ!?まさか…男なのか…?

性別間違って生まれたんじゃないのか?

これはもういっそ俺の『魔族転生』で女にした方が…」


そこまで言ったとき、ひばりが目を爛々と輝かせて魔王に詰め寄った。


「出来るんですか!?ほんとに!?」


詰め寄られた魔王は後退りしながら


「あ、あぁ…異世界者なら問題はないはずだが……」


冗談で言ったのに本気にされてだいぶひいている魔王


だが、そこで俺は即否定した。


「男の娘じゃなかった…親友を殺すことはロストエデン法で禁じられております」


ひばりは驚き


「えぇっ!?ロストエデン法って無いんじゃなかったの!?」


「い、いやぁ、あるのすっかり忘れていたぜ。重要禁止事項に抵触するからダメゼッタイ」


すると、室内にレディの声が響く…


「ロストエデン法を制定……

重要禁止事項の設定を完了しまシタ

アンドロイド全体へのインストール完了

副官への伝達……完了」


ひばりが膝をつきがっくりと項垂れた。


「他に設定する事項はありマスか?」


俺はレディに即答した。


「ああ、最重要禁止事項を設定する」


俺が険しい顔になったので、他の3人(メイを除く)はゴクリと息をのんだ。





自室で筋トレをしていたアマンダはレディからの知らせに手を止めた。


「なになに…ロストエデン法だって?

まぁ司令官が制定したんじゃ仕方ないけどねえ。

ってなんだいこれはぁぁぁぁぁ!!!」



ーロストエデン法ー

最重要禁止事項…アマンダ・ローズのみで子どもと遊ぶことを固く固く禁じる






※御礼※

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