第11話 世界で一番美しい景色

 月明かりが照らす砂浜を、二人は歩く。海風がアリスの長い髪をなびかせ、彼女の長いワンピースのスカートがゆれる。風に乗って、彼女の香りがマルクの鼻をくすぐった。ああ、やっぱり綺麗きれいだ。世界中のどこよりも、彼女のいる景色は美しい。

「なぁアリス、歌ってくれよ。君がいればどこだって、そこが最高の景色だ。君が一番輝く姿を、俺に見せてくれ」

アリスは静かに微笑ほほえみ、マルクに向けて歌った。とても優しい愛の歌を。

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