第6話 刺激への欲求


「私ばっかりじゃ、ダメだね……」

 倒れていたアリスは体を持ち上げ、いまだ熱い余韻の残る表情でつぶやいた。しかし、まだ立ち上がることはできなかったのか、四つん這いになり、マルクの元へと這い寄った。アリスはそのまま、マルクの水着へと手を当てる。

「あっ……かたくなってる」

アリスは水着の上から、マルクの強張ったペニスを優しく撫でた。恐ろしく愛に満ち溢れた触り方で、マルクはそこをピクピクと敏感に反応させる。

「うふふ、かわいい。直接触ってあげるね」

 アリスは水着に手をかけ、そのまま完全に脱がしてしまった。それと同時に、マルクのモノが彼女の眼前でそびえ立った。アリスは微笑ほほえみと共に柔らかな手でそれを撫で、握り、優しく上下にしごいた。

「うっ……」

マルクは快感に声をらす。股に血液が集まり、熱くなっていくのを感じる。もっと触って欲しい、もっと刺激して欲しい。マルクの中で刺激への欲求がどんどん高まった。それを感じたのか、アリスは指で先端部分を優しくさする。一番敏感なところに弱い刺激を与えられると、刺激への欲求はますます高まった。

「アリス……もっと、強くして……」

 それを聞いて、アリスは微笑み、手のひら全体で円を描くように先端を撫でた。余ったもう一方の手ではやはり全体を上下にしごき、時折付け根の玉もほぐしてくれる。アリスはマルクの反応を見てどこが良いのか完全に見極めたらしく、先端の穴を指で撫で、筋を擦ったり、引っ掛かりを丹念になぞったりした。マルクにとって、初めてと言える強い刺激を続けて受け、ついに限界を迎えようとしていた。

「あぁ……アリス……俺、もうっ!」

 達する! そう思ったとき、

「ダーメ。まだイカせないよ……」

 アリスは突然手を止め、マルクの体の熱は行き場を失ってしまった。今にも破裂しそうなほどに張り詰めたペニスを痙攣させ、マルクはアリスに問いかけた。

「アリス……どうして? あとちょっとで……」

「ごめんね。でも大丈夫、次はちゃんとイカせてあげる」

そう言うとアリスは指を自らの唇に当て、腕で胸を寄せ、上目遣いになり、誘惑するようにこう言い足した。

「マルクは……私のどこでイキたい?」

思わぬ質問に、マルクの鼓動こどうは速くなり、目は見開かれ、アリスの体を凝視する。そして、彼女の肢体を下から上まで舐めるように見て、その感触を想像した。

 綺麗きれいな足、程よく筋肉の付いた滑らかな太もも、視線を引きつける豊かな乳房、細く白い指、そして薔薇ばら色の唇。

 マルクのモノは、再び痛い程に充血し、次の刺激を今か今かと待っている。泳ぐ視線を必死に定め、マルクはある一点を見つめた。

「じゃ……じゃぁ、ここで……」

「うふふ、いいよ、いっぱい気持ちよくしてあげるからね」

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