002 4+5+12=一等兵
002 4+5+12=一等兵 甲/新兵のお仕事は?
『002_甲/新兵のお仕事は?
/2040/12/12
/PCW/日本東京大田区/RMS大田区南支部
/ギルド『鬼斬』マスター 小田一二四大尉』
「そんな訳で登録は、勝ち取りました」
雪子、チューの宣言に頭に痛みを覚える中、トクヒデが淡々と進行する。
「実際に登録したばかりの二等兵に出来る仕事と言えば比較的安全な場所での『萌草』採取だな」
「妥当の判断だが、それで良いのか?」
俺がそう確認してみると一応、招猫万五郎の記憶を残している事からまとめ役らしいチューが頷く。
「何事に下積みって奴が必要って事。理解しているよ」
「それでは、RMSの推奨する上官一人につき、二名の新兵。詰り、四人ごとに採取を行うって事でいいな」
トクヒデの説明に雪卯、ピョンが手を上げた。
「しつもーん。あたしの調べたところによると、新兵だけで採取する事も珍しくない筈ですけど」
大きなため息を吐き俺が突っ込む。
「どこの開発途上国の話だ。日本では、少なくとも上官の同行のない新兵だけでのDFW行きは、認めていない」
「でもでも、実際に……」
ピョンがそういってどこから調べたのか実例を見せてくるがトクヒデが即答する。
「よく見てみるんだ、申請者の責任者伍長相当の上官の名前が入っている。一応は、その人物が同行している事になっているんだ」
「……新人五人で現地作業人数が五人だよ」
ピョンが確認しながら答えると俺が舌打ちする。
「上官は、あくまで指導と護衛として作業をしないという事で作業者に含まれないって前例の悪用だ。DFW移動のみ付き添い、その後は、直ぐ戻ってるんだ」
「何でそんなことするんだ?」
不思議そうな顔をする雪寅、ガオに教えるべきかどうか俺とトクヒデが悩んでいるとチューが答えてしまう。
「ヤクザの親の借金の返済の足しにって子供を半ば強制的に採取をさせる為に送るだけ送って自分が安全な所で待つなんてシノギが昔っからあるんだよ」
「近頃は、破防法の改定であからさまのは、減っていると聞いていたんだがな」
トクヒデの眉間に皺が寄るのも解る。
資料の日付は、年内の物だ。
「破防法の改定の度に手を変え品替え続けられている伝統」
チューの説明に俺が突っ込む。
「嫌な伝統だな。とにかく、そういうのは、違法ギリギリ。すくなくとも真っ当なギルドは、やらないんだよ! とにかく四人ずつやるぞ!」
俺の号令で、母親毎に三組作成され、チュー達が一組目になるのであった。
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