再戦
第22話 再戦
真夜中の湖畔で、真一は再び悪鬼と対峙した。
金色の翼を持つ人魚は、赤い瞳を見開き、真一を真っ直ぐに見据えていた。最初から完全に戦闘態勢に入っている。
今回は前回と違い、ミノリのサポートはなく、仲間との協力もできない。さらに、悪鬼は最初から進化した状態で空を自由に飛び回る。そんな状況にもかかわらず、真一は落ち着いていた。
負けるイメージなど一欠片も持ってはいなかった。
彼の頭にあるのは、見事悪鬼を打ち倒し、愛しのミノリと結ばれるという都合のいい妄想しかなかった。その完全に邪な気持ちも、少年にとっては強力な原動力となる。
「来いよ人魚野郎!ぶっ倒してやる!」
真一の挑発に乗ったのか、悪鬼は翼をはためかせ真一突進してきた。
ガキィィッ!
鳴り響く金属音。真一は、一人で悪鬼の爪による攻撃を止めていた。激しく火花を散らす剣と爪の鍔迫り合い。体格とパワーは圧倒的に悪鬼が優勢、しかし、真一は自身の魔力によってその差をカバーしていた。
わずかに力のバランスをコントロールし、悪鬼の攻撃を受け流した真一は、そのまま相手のパワーを利用し、強力なカウンターを打ち込んだ。悪鬼は吹き飛ばされ、岩に激突した。しかし、特にダメージを受けたようには見えなかった。悪鬼はすぐに浮上し、その身に魔力を集中させた。あの歌による攻撃の準備である。
真一は、このときを待っていたとばかりにニヤリと笑い、悪鬼へと突進して行った。›
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