第16話 絶対に聞き出してやる!!

「お前、あの悪鬼のことを知っているのか!?」

「あぁ?まぁ、見ただけだが、大体の攻略法は分かった」

「それを僕に教えろ!!」


 真一はこの自称勝利の女神を鋭く睨みつける。剣を構え、力尽くでも聞き出すと言った様子だ。

 相手は呆れた様子で大きくため息を吐いた後、どこからともなく一振りの剣を取り出した。形状は一般的な西洋の剣。しかし、その刀身は黒と白の格子模様の入った見たことのない鉱物でできた異様な剣だ。感じたことのない未知のエネルギーを放つ剣とそれを構える相手の姿を見て、真一は相手が今まで戦った誰よりも強いことを確信した。


 しかし、ここで引き下がる訳にはいかない。せっかく掴んだチャンスなのだ、全力でものにしなければならない。

「行くぞ!!」


 真一は堅牢剣を地面に突き立てる。そしてため込んだエネルギーを解放し、爆発的な推進力を得て突進して行った。

 その勢いのまま斬りかかり、一気に勝負をつけるつもりだ。

 振りかざした刃は正確に相手の胴を捉え、一刀両断せんとばかりに力の限りに振り抜いた。



しかし、


「!!??」


 その刃は相手に届く前に止められてしまった。それも手にしたあの異様な剣で防がれたのではない。

 素手で、更に片手の人差し指と中指で、つまむように軽々と受け止められてしまったのだ。


「いい動きだ。だが、その程度じゃ私には届かない」


 そう言うと相手は逆の腕で剣を構え、そのまま真一の胴に斬りかかった。吹き飛ばされた真一は、勢い良く木の幹に激突して倒れ落ちた。

 その一撃は剣の腹によって殴りつけられた峰打ちであったが、刃を立てたままに振り抜かれていたら間違いなく即死していた。


 真一は何とか意識は保てていたが、呼吸は苦しく、立つことさえままならなかった。相手はそんな真一を見てニヤリと笑った。


「だがそう焦るな。心配しなくても、私がお前を鍛えてやる」

朦朧とする意識の中、真一ははっきりとそう言ったことを聞き取り、そのまま気を失ってしまった。

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