第3話 『異常』
場所:エステート側 フェーズランナー前にて...
「...よし、周囲に部隊は居ないぞ」
「そう...とりあえずはここで気を休められるわね」
ドローンを弄っているツーブロックヘアの男性と巨大な電気装置を背負った少女が一息ついている...
男性の名はキム・ヒヨン...ではない、これは偽名である。
正しくはパク・テジュン、コンピュータ技師としてApexを中継する為のドローンを設計していた。ある日、ゲームを自在に操れるアルゴリズムを発見してしまいゲームを運営している企業に命を狙われてしまう、犯罪者として濡れ衣を着せられゲームを内側から壊す為に整形と偽名を使いあえてゲームへ参加したそう。
「にしても...やけに静かね、いつもならあり得ないわ」
彼女の名はナタリー・パケット、このapexゲームの拘束変性リングを作った特級電気技師である。一般人の彼女がこのゲームに参加している理由は大好きだった自分の父親がこの世を去り、自分の居場所が無くなってしまった時にレジェンド達が励ましてくれた為、彼らが居る場所を自分自身の新しい居場所にしたからである。
「あぁ、いつもならな... このマッチは表向きは戦闘だが、皆はそれぞれ様々な場所を探索している」
「それって...ローバ達を探す為ね?」
「そうだ、だが表向きは戦闘だ... 他の皆と鉢会ったら戦わなければならないぞ」
「...分かったわ。」
「うーん...どうやら此処には何の痕跡も無いみたいだねぇ?」
「そうでしたかソマーズ博士...一体彼女達は何処へ行ったのでしょう...?」
宇宙服を着た女性が合流した様だ。
彼女はマリー・ソマーズ、約80年前に消息を絶った天文物理学者である。当時アウトランズ全体は深刻なエネルギー不足に見舞われており、その解決策を見つけたのが彼女。危険なブラックホールの降着円盤上にあるブランシウムを見事採取する事に成功したが、助手のリード博士に裏切られ宇宙を彷徨う事になってしまう。幸いにも時間の流れが不安定なブラックホールの近くに漂っていた為、脱出までに漕ぎ着けることが出来た。...しかし彼女が星に帰ると約80年の年月が経過しており最愛の息子が先に亡くなっていた、そして彼女はゲームに参加し、タイムトラベルの方法を探す為に戦闘を続けている。
「現段階じゃ、分からないとしか言いようが無いねぇ... でも必ず答えは何処かにあるはずだよ...」
...
場所:研究所側 中央フェーズランナーにて...
タッタッタッ...
「どうやら敵は居ない様だな、次の場所の移動にはフェーズランナーで向かおう」シュンッ...
「ふん...いいだろう」シュンッ...
大柄の男2人がフェーズランナーへ入っていった... その後ろには...
「あの2人を追うわよ」シュンッ...
「了解...ん?」
狩人のレジェンドが立ち止まる...
「何か...おかしい様な...?気のせいだろうか...」シュンッ...
...彼の言葉は間違ってはいなかったが、もう既に遅かった...
...
:エステート側 フェーズランナー前...
───ゴウン...ゴウン...
「おい‼︎フェーズランナーから誰か来るぞ‼︎」
「ほらみんな‼︎戦闘準備を...」
シーン...
ゲートのアラートが突然止まり、辺りは静寂に包まれる。
「何も来ないわよ...?」
「いいや、このフェーズランナーは研究所側から誰かが入らないとアラートは鳴らない... 一体どういう事だい...?」
...
一方その頃、研究所側では...
「やあ、ブラジー...そっちは何か見つかったかい?」
銃を構えたランパートとバンガロール...そして立ち尽くすミラージュ。
「いいえ...何も収穫は無しよ...そちらはどうだった?」
こちらも銃を構えているレネイ達...
両者とも一発即発な状況である。
「なーんにも?んでもっと色々探していたらブラジー達に鉢あったってわけ... さて、やる事は分かってるよね〜?」
「えぇ、表向きには戦闘... これは絶対厳守よ」
「おいおい...みんな本気でやり合おうってのか!?此処はもっと穏便n...」
ミラージュが皆の間に入り止めようとするが...
「ミラージュ、貴方は黙って。」
「ウィット、ちょっと引っ込んでな。」
「ちょっ...」
「さぁ...パーティの始まりだ...」
「やってやりましょう」
───ドォォン‼︎
ついに戦いの火蓋が切られた。
───ダダダダダァン‼︎
──パララララァン‼︎
───ダァン‼︎ダァン‼︎ダァン‼︎
「ナックルクラスターを放ぁつ‼︎」ドォン‼︎
「デコイを起動‼︎」
「掃射開始、ガンガン撃つわよ‼︎」カランカラァン...
「虚空に入るわ」シュンッ‼︎
ドドドドドォン....
───ドガァァン‼︎ドカァァン‼︎
「ハハッ!バカを撃ってるよ‼︎」ダダダダダァン‼︎
「緊急脱出する‼︎そーらフラグを食らえ‼︎」フッ...
コロコロ...
「うわっ⁉︎グレネーd」ドォン‼︎
「おいギアヘッド大丈夫か!?」
ミラージュがランパートに駆け寄る...
「チッ...タッテレキー‼︎ダウンしちゃった〜...」
「マズいわ...一旦退くわ‼︎スモークよ‼︎」カラァン...ボン‼︎
バンガロールがスモークを放ち視界が不安的になる。
「フェーズランナーだ‼︎急げ急げ‼︎」シュンッ...
「くっそ〜...この借りは必ず返すからねブラジー...」シュンッ...
「また会いましょう」シュンッ...
「おい逃げたぜ‼︎」
「逃さないわよ?行きましょう‼︎」
シュンッシュンッ...シュンッ...
...
:フェーズランナー道中
(やけに長いわね...何か変だわ...)
(おい‼︎いつになったら出口に着くんだ?待ちくたびれちまうぜ‼︎)
その時、周りに異様な変化が現れ始める。
(おい、やけに眩しいな...これどうなってんだ!?)
(何かマズイ気がする...皆私に捕まって‼︎)
(私のフェーズ技術同士で干渉し合えば...‼︎)
「ヴォイドランニングッ!!」
...
:エステート側 フェーズランナー前...
───ビー‼︎ ビー‼︎ ビー‼︎
フェーズランナーからは今まで聞いた事のない警告音が鳴り響いている。
「おいおい...今度は何だ?」
───ドォォン‼︎
勢いよくレネイ達がフェーズランナーから飛び出す...
...ドガァ‼︎ドン‼︎
「うおお!?今の一体何だ!?」
「...危なかったわね、皆無事?」
「老体にはちと刺激が強かったぞ...」
「おい‼︎一体何があった!?」
クリプトがレネイ達に駆け寄る。
「いつまで経っても中から出られなくて... 待って、ラムヤ達フェーズランナーから出て来なかったかしら?」
「いや...君たちが初めてだが...」
...この時彼女は、ある推測をしていた。
「...よ。」
「今なんだって...?」
「ゲームは中止と言ったのよ、研究所のフェーズランナーまで向かうわ。」
しゃがんでいたレイスが立ち上がる。
「おいおい一体どういう事だよ?」
「この可能性ならマップ中を探してもローバ達の痕跡が見つからない訳だわ... 説明は着いてからよ、一刻も争うかもしれない」
「そ、それならそこのフェーズランナーを使いましょ?すぐ着くわ」
「徒歩で行くわ、絶対に使っちゃ駄目よ。」タッタッタッ...
「おい...行っち待ったぞ‼︎追いかけないと...」
「そ、そうだな... ゲームのことは俺から運営側に連絡をしておく」
...
レネイ・ブラジー、彼女は一体何に気付いたのか...
...そして皆は何処へ行ったのだろうか?
『最重要人物:転送済み人数 20/10』
───現在転送可能数:残り6人...
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