第43話 東方小国群 ライクライ⑥
「きゃーー!!」
ようやく眠りについた私たちを起こしたのは女性の悲鳴でした。
「なっ、なんだ!?」
そして、急ぎ駆けつけた私たちを迎えたのは、話に聞いていた通り、全身の血を抜かれ乾涸びた死体と、その脇にへたり込む女性の姿でした。死体の方は、服装からすると男性の方でしょうか?
「い、いま、変な魔物がっ!!」
どうやら、件の魔物が村人の血を吸い取って何処かへと去っていったようです。私たちが村に入ったのを計ったかのような絶妙なタイミングですね。これも勇者の血のなせる業という事でしょうか?事件が探偵を呼ぶのか、探偵が事件を呼ぶのか、といった感じのお約束的何かです。まあ、探偵が来ても来なくても、今もどこかで事件は起こっていることでしょう。
「大丈夫ですか!?お怪我は!?」
「わ、私は大丈夫ですので……、早く魔物を!お願い致します!」
女性を心配して声を掛けるアレンさん。どうやら悲鳴の主の方は特段被害に遭われてはいないようで、一安心です。
「……、分かりました!よし、行くぞ!」
「分かっているわよ!」
魔物を追って、女性の指さす森の方へと駆け出す私たち。果たして、今からで追いつく事は可能でしょうか?……結果から言えば、その心配は杞憂に終わりました。そして、私たちを出迎えたのは想像を超えた状況だったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます