勇者パーティー結成 ~エピローグ~
第35話 エピローグ①
「ミレニアさんは、アレン様の事をどう思われていますか?」
私、スメラギ・カンナは目の前の女性、ミレニア・ロークさんにそう問いかけました。
ここは山間にあるとある湯治の名所で、お礼も兼ねてアレン様ご一行をお招きし、今ちょうど温泉に浸かっているところです。
当然私もミレニアさんも一糸まとわぬ体で、親交を温めさせて頂いております。タオルを巻いたりするのはマナー違反ですので。
「ん~、直球だね?
お姫様だっていうからで、もっと婉曲な感じなのかと思っていたよ。」
「……そうですか?確かに普段はもっと言葉を選んでいますが。
今は勝手ながらお友達と話ししている、と思っていますので。お嫌でしょうか?」
短いながらも、オロチ様を鎮める旅でご一緒させて頂き、生死を共にした仲です。私としては、是非ともお友達になりたいところです。アレン様とお近づきになる意味でも。
勿論、個人的にもミレニアさんの事は好ましい方だと思っております。
「いや。別にそれは構わないよ。
こちらも堅苦しいのは好きじゃないし。さん付けもいらない。」
「そうですか。ありがとうございます。では失礼して。私の事もカンナ、と呼んで下さい。
それで、話は戻りますが、ミレニアはアレン様をどう思っていますか?」
再度問いかけた私に、ミレニアさんは少し考えながらも答えて下さいました。
「どう、といってもね。
カンナが心配するような事は特にないと思うよ?
私はこんななりで、こんな性格だし。
幼馴染なので仲はそれなりだとは思うけれど、ああいう生真面目な奴から恋愛的な意味で好かれるとは思えないかな。」
「そうでしょうか?ミレニアはとても可愛らしいと思いますよ。
それに体形も……、しなやかでかつ、出てるところはでていらっしゃいますし。」
ボーイッシュな印象を受けますが、ミレニアさんは10人に聞けば8、9人が可愛いと答えるであろうと思われる位整った顔立ちをされています。
シーフという役柄にあったスレンダーな体をされていますが、出ているところ、というか胸は私よりボリュームがあり、形もよいように見受けられます。ちょっと試してみてもいいでしょうか?
「そう?ありがとう。あまりそういう褒められ方をしたことがないので、ちょっと照れるかな。ちょっと、その視線が気になるけど。
そういうカンナは正にお姫様、って感じで綺麗だと思うよ。
うん。アレンだったら、カンナみたいなタイプが好みなんじゃないかな?
……というか、警戒するなら私よりもリリシアの方だと思うよ。」
ミレニアさんの言葉に、私はちょっと首を傾げます。
「リリシアさん、ですか?
確かに、高位の魔術が使え、かつ頭の回転もよい優秀な方だとは思いますが……。」
実のところ私はリリシアさんのお顔を拝見したことはありません。何故かといいますと……。
「ああ、そうか。そういえばカンナはリリシアの顔を見たことが無いのだったね。
まあ、彼女はあまりそういうことに興味なさそうだし、クレイのやつが間違いなく妨害するだろうから、そう心配することは無いと思うけどね。もしかしたらレンの奴も狙っているかもしれないけど。
ただ、彼女は……。」
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