第2話 女の子に可愛がられる
「ずっとお話ししたかったの」
そこに立っていたのは同い年くらいの女の子
「あはは、いきなりでびっくりしたよね。私は奏太君と同じ1年1組の
奏太は驚いた。
まさか自分のために家まで来てくれる人がいたなんて
あまりにいきなりのことで声が出なかった……
すると――
「家に入っても大丈夫?」
「大丈夫だよ」
せっかく家まで来てくれたのに追い返すようなことはしたくない。それに――(友達を作るチャンスかもしれない) いったん体を落ち着かせてから
「わざわざ来てくれてありがとう。僕の部屋汚いかも知れないけど大丈夫?」
「大丈夫だよ!案内よろしくね」
部屋の前まで来た
「ここが僕の部屋」
「入ってもいい?」
「うん」
そしてドアが開かれる
部屋を見た鈴木さんの顔は一瞬で満面の笑みに変わり――
「えええ!めっちゃ可愛い部屋!なにこのぬいぐるみ達!可愛すぎ!こんなにいっぱいぬいぐるみがあるなんて天国だよ……」
そう、奏太はぬいぐるみを小学生の時から集めていて、引っ越しの際もあまりの量のぬいぐるみだったため持っていくか行かないかで親と言い合いになったくらいだ。
そんな奏太が自分のぬいぐるみを褒められて喜ばないはずがなく
「かわいいのは当たり前だよ!とくにこの子!くまたろーは小学1年生の時から一緒で!あとこの子は――」
言いかけたところでようやく気付く
(ついテンションが上がってしまった……)
引かれても仕方ないと思い始めていた時――
「かなたくんかわいい」
「え?」
「奏太君可愛すぎだよ!!!!そんな可愛い見た目でぬいぐるみ好きとか反則だよ!!ねえ写真撮ってもいい??」
(「引かれると思ってたのにテンションが上がってる……?」)
「う、うん」
「じゃあそこのウサギのぬいぐるみ抱きながらこっち見て!」
「こう……?」
「え…可愛すぎてヤバい。。」
(そんなに僕って幼く見えるのかな……)
「次はそこの――」
(まだ撮るんだ。。)
――1時間後――
「くまさんと奏太君の相性よすぎてやばい……かわいい。。」
鈴木さんと僕は今撮った写真を見返している最中だった
「可愛いばっか言わないでよ……」
「もしかしてすねちゃった?すねてる奏太君もかわいー!」
奏太は鈴木さんのスマホを取り上げる
「今日撮った写真全部消すよ?」
「それは本当に困っちゃうよ⁉お菓子あげるから許して!」
「僕は小学生じゃないんだぞ!」
そこで互いの目がぴったりと合うと――
笑いを堪えきれなくなり二人で笑う
「フフ奏太君の笑う顔見れてうれしいな」
「僕も鈴木さんがこんな笑い方するなんて知らなかった」
「え?私どんな笑い方してたの⁉」
この1時間で二人は驚くほど打ち解けていた
(鈴木さんとは話が続く。。なにより話していて楽しい!)
そんなことを考えていると――
「もうこんな時間!そろそろ帰らないと」
楽しい時間が終ってしまう
しかし帰るのを止める権利が奏太にはない
「そうなんだ。今日は楽しかったありがとう」
すごく寂しい気持ちだった。もしかしたら顔に出てしまっていたかもしれない
そして玄関まで一緒に行った後、最後にさよならを言って鈴木さんは帰ってしまった
部屋に戻り一人になった部屋の中で今日あったことを振り返る
(そういえば休んでいる理由聞かれなかったな……)
もしかしたら鈴木さんは聞かれたくないのを分かってて聞かないでくれていたのかもしれない
そんなことを考えているうちに久しぶりに、はしゃいだこともあって疲れて寝てしまう
「また来てくれたらいいな」
そんな寝言を漏らしながら――
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