自然崩壊システム

バブみ道日丿宮組

お題:凛とした始まり 制限時間:15分

自然崩壊システム

 世界の変革はある時始まった。

 地割れ、津波、噴火、あらゆる自然崩壊が突然連続して発生し人々を襲った。

 当然人は逃げた。だが死んだ。逃げられるはずもない。人は強くはない。強者とただ偽ってるだけで地球の恐怖には勝てはしない。

 自然崩壊の原因は人が使い込んだ燃料の逆流。空になったはずの場所に何かがあって、それが引き金になったと政府は発表してる。

 あとになって判明することだが、そんなものは嘘だった。

 なぜなら、世界の1つだけ滅びてない国が存在してる。

 その国以外に都合よく自然崩壊が起こるはずはない。その国にも災害が起こらないのは不可解な事実。当然それは他の国々が気づき。そして代表者がその事実を元に討論しにいった。

 結果、国の代表者は打ち首としてメディアに報道された。

 世界は今1つになったという、この世界の支配者というある男の発言とともに。


「クーデターにしても破壊力ありすぎだよな。現実と思いたくねーわ」

「生きてるだけが奇跡だったな」

 俺と悪友は旅行先の山に登ってた。そのおかげなのか津波にまきこまれることはなかった。食事も自然が残ってるせいでなんとかなってるが、これもいつまで続くかわからない。

「ミサイル降ってきてたよな?」

「あぁ……たぶんな」

 政府の発表がある前、自然崩壊が起きる前に俺たちはみた。


 ーーたくさんの光が空を支配したのを。


「戦争する能力がある国がいくつあることやら」

「無理だろ? 基地を主に狙った攻撃。核を爆発させられたら、残る手段は細菌兵器か化学兵器しかない」

 そんなのがあの国の上空を飛べばすぐに撃ち落とされるだろう。

「侵入も不可、攻撃も不可。無抵抗に降伏して服従するしかないってか」

「首輪をつけられた人は、人じゃない」

 家畜となるつもりはない。

 だが、地球を家畜のように消費してきたのは人だ。

 世界の支配者は、『地球が全てであり、人は膨大に増えすぎた種で統一すべきである』と。

「静かに終わるんだな。死ぬのは今かもしれないってよく言われてたのが身にしみるな」

「そう言ってた連中も今じゃ棺桶……はないな。どこかに流されたか、消滅してしまったよ」

 たった2人で生きるには難しい。

 俺たちは生きるためにも、まず人を探すことから始めた。

 家畜となるかはわからないが何かを始めない限り、始まらない。

 

 それだけはわかってる。

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自然崩壊システム バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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