第29話 道標ない旅-29
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ドリフレちゃん、
忘れてるね。
ベルはすごいんだろう。
でもね、
ベルを考えたのは君なんだよ。
すごいね。
山本五十六
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あたし、すごいなんて言われたの初めてでどうしていいのかわかりません。でも、あたしは、勉強は駄目だし、好き嫌いも多いし、泣き虫で弱虫で、チビだし、引っ込み思案で、いつもママに怒られないかってびくびくしてるし、先生にも褒められたことないし、あたしはだめなんです。
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ドリフレちゃん、
成績は何番?
ドリフレちゃんはビリなの?
全科目成績は悪いの?
もし、ビリじゃなかったら、
それより下のやつはもっとだめ?
でも、この学校でビリでも、
他の学校ならもっと成績の悪い人はいるよ。
そいつもだめなの?
好き嫌いが多いのは、ママの料理が下手なんじゃないの?
うちのカーチャンはけっこう上手いよ。
一度食べにおいで。
チビって言ったって、もっと小さい子はいるよ。
まだ、成長期だから、ひょっとしたら2メートルくらいになったりして。
楽しみだね。
おれもでかくなっちゃうかも・・・;
ナキムシとかヨワムシって、まだ発見されてないはずだな。
もしかしたら天然記念物になるかもね。
大事にされるよ。
今わかったんだけど、
ママや先生は、実はデビルなんじゃないの。
ベルが夢から出てこれないなら、
おれが助けてやろう!
いらない?お呼びでない??こりゃまた、失礼しましたぁ。
山本五十六
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それっきり返事は返って来なかった。五十六はツールバーの時計を見続けた。時間は五時になろうとしている。約束の時間だ。五十六は、別れのメールを送って、コンピューターを切った。
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ドリフレちゃん、
ちょっと調子に乗り過ぎたかな?
気を悪くしたなら、ごめんね。
時間が来たみたいだから、
これで終わるね。
また、メール下さい。
さようなら。
山本五十六
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