第22話 道標ない旅-22
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ドリフレちゃんへ
メールありがとうございます。
チャット中は気づきませんでした。
わざわざ送ってくれてありがとう。
みんながっくりしてたんです、
誰も参加してくれなかったから。
もう、みんな帰っちゃいました。
でも、このメールのことを言えば、
きっと喜んでくれると思います。
もし、いまこのメールを読んでくれるなら、
しばらくこの部屋にいますから、返事下さい。
山本五十六
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五十六は待った。きっとメールは返ってくる。そして、五十六がコンピューターを見つめていると、アラートが鳴った。やった、と思いながらメールを開いた。
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五十六さんへ
メール読みました。
本当に誰もいませんか?
それなら、いいけど。
それと、
このメールの話を誰にもしないで。
五十六さんだけとなら、
お話したいと思ってます。
メールください。待ってます。
ドリフレ
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ドリフレちゃんへ
いまは本当に誰もいません。
よかったら二人っきりで内緒のメール会話しませんか?
学校にいられるのは、5時くらいまでだけど、
今日チャットが失敗した理由なんかも聞かせてね。
あと、さっきのお答え。
ここの写真はデジカメで撮りました。
かなりたくさん撮って、
その中でいいものをさらに修正しました。
結構いけてるでしょ?
返事下さい。
山本五十六
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五十六さんへ
交換日記みたいですね。
なんか、ドキドキします。
本当は五十六さんはとってもかっこいい人で、
わたしなんか、相手にしてもらえないだろうけど、
メールだから、少しだけ話し相手になって下さい。
写真の事はよくわかりました。
修正までしてたんですね。
フォトショップですか?
わたしのコンピューターにも入ってますけど、
わたしには使えません。
パパが会社からもらってきたんです。
会社では、使ってるみたいですけど、
家では使っていません。
何を書いたらいいのかよくわかりません。
ドリフレ
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ドリフレちゃんへ
「交換日記」だなんて、光栄だな。
ぼくはチビでスケベだから、女の子にはバカにされてます。
バチバチどつかれるし、いつも虐げられてます。
そのぼくが、「交換日記」だなんて~。
絶対、会いたいなんて言わないでね。
ドリフレちゃんのお父さんは、写真家ですか?
それとも、デザイナー?
フォトショップを使いこなすなんて、
すごいですね。
ぼくらは、色調をちょっと操作しただけですよ。
少し明るい目に。
いい出来でしょう?
山本五十六
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五十六さんへ
あんまり、自分のことを悪く言わないで下さい。
悲しくなります。
こうして、メールを交わしてると、
五十六さんがいい人だってよくわかります。
わたしのパパは普通の会社員ですが、
会社で色々とソフトを揃えてくれたので、
それを時々持って帰ってきては、
家のコンピューターにインストールしてくれるんです。
わたしの使えないソフトがたくさんあります。
自由にコンピューターを使えたらいいんだけど、
勉強しなくちゃいけないから、あまり使えません。
学校の写真、とってもきれいです。
すてきな学校みたいです。
ドリフレ
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