インターミッション 第6話 - サウスポー
朝夢見が振りかぶって投じた球は腕の振りに反して遅く、アウトローへと向かった。
―――チェンジアップだ。
と瞬時に判断した直樹は、振り始めていたスイングをぐっとこらえると、バットをすくい上げるように振り出し、バットにボールを載せるかのように打った。ボールは右中間へと飛んでいき、ワンバウンドしてフェンスに当たった。外野で球拾いをしていた、中沢と恵理奈の間であった。
―――長打だ。
仙貴がそう思ったときには、直樹は右腕を挙げて喜びを表していた。
歓声の中、直樹はヘルメットを取り、朝夢見に深々と頭を下げ、「ありやした!」と言うと、借りていたバットとヘルメットを返し帰ろうとしたが、由起子がいるのを認めると、駆け寄ってきた。
「由起子先生、お邪魔しました」直樹
「いえいえ、どういたしまして」由起子
「今日はどうしたんですか?」としのぶが訊ねると、
「ロードワーク中に見てみたら、あゆみちゃんがバッティングピッチャーをやってるのを見つけたんで、ちょうどいいや、と思って、つい勝負を挑んじゃったんだよ」直樹
「どうだった?」由起子
「すごいね。背が低いから、低いところからあれだけの速球が投げられたら、ちょっと打てないね」直樹
「でも、打ったじゃない?」由起子
「まあね。最後の球がチェンジアップでよかったよ。ストレートだったら打てなかったかも」直樹
「ご謙遜を」由起子
「いやいや、
直樹にそう言わせる朝夢見はやっぱりすごい、としのぶは思った。
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