第3話 苦渋の決断を迫られ、決断する

あの日から1週間が経つ。

私はずっと考えていた。


あの事故の日に戻って姉を助けるべきなのか、そうじゃないのかという事。

助けなければ、今のままになる。

そしてその事実を話さなければいけない。

そうしたら鈴木先生はまた自分の殻にとじこもるのだろうか。

それは嫌だ。


「どうすればいいの?」


私は思わず独り言を言ってしまった。

するとこちらに人が近づいてくる。


「どうしたの、結音ちゃん?」


春奈の姉の雪華さんだ。


「姉を助けるべきかそうじゃないか悩んでいて…」


「陽葵さんを助けるべきかそうじゃないかって事ね」


「助けなきゃまたあの時の事で鈴木先生が苦しむ気がして…」


私はそう言うと、苦しさの余りに下を向いた。

苦しいけど、知ったからには最後までやるべきなのだろう。


「これは私の意見だけど、陽葵さんを大事な姉だと思うなら助けた方がいい」


「そうですよね。 家に帰って考え直してみます」


「うん、気を付けて」


私は家に帰って助けるべきかそうじゃないかを考える事にした。

姉を助けると言うならそれにはリスクが伴う。

そのリスクは自分がこの世から居なくなる事だ。

でも私はそれで良いのかもしれない。

栞那は陽葵姉さんと暮らしていけるはずだから。


決めたよ。

私は姉を助けるんだ、どんなリスクがあろうとも!


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