第3話 苦渋の決断を迫られ、決断する
あの日から1週間が経つ。
私はずっと考えていた。
あの事故の日に戻って姉を助けるべきなのか、そうじゃないのかという事。
助けなければ、今のままになる。
そしてその事実を話さなければいけない。
そうしたら鈴木先生はまた自分の殻にとじこもるのだろうか。
それは嫌だ。
「どうすればいいの?」
私は思わず独り言を言ってしまった。
するとこちらに人が近づいてくる。
「どうしたの、結音ちゃん?」
春奈の姉の雪華さんだ。
「姉を助けるべきかそうじゃないか悩んでいて…」
「陽葵さんを助けるべきかそうじゃないかって事ね」
「助けなきゃまたあの時の事で鈴木先生が苦しむ気がして…」
私はそう言うと、苦しさの余りに下を向いた。
苦しいけど、知ったからには最後までやるべきなのだろう。
「これは私の意見だけど、陽葵さんを大事な姉だと思うなら助けた方がいい」
「そうですよね。 家に帰って考え直してみます」
「うん、気を付けて」
私は家に帰って助けるべきかそうじゃないかを考える事にした。
姉を助けると言うならそれにはリスクが伴う。
そのリスクは自分がこの世から居なくなる事だ。
でも私はそれで良いのかもしれない。
栞那は陽葵姉さんと暮らしていけるはずだから。
決めたよ。
私は姉を助けるんだ、どんなリスクがあろうとも!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます