第2話 情報収集

謎を解こうと決意した日から1日経つ。

私達は謎を解くために情報収集をする事にした。


「情報収集するならどこ行く?」


茜音が頭を悩ませながらそう言う。

確かに情報収集をすると言ってもどこに行けばいいか分からなかった。


「どうしようか…」


そんな感じで私たちは頭を悩ませていた。

すると突然思いついた。

学校に行けばいいのだ。


「学校に行こう」


「私入れるの?」


「大丈夫。 生徒数が多すぎて先生もそこまで分からないから」


私はそう言った。

夏夜高校は生徒数が1000人を超える高校で、先生も

記憶しているためでは無いので、学校に他校の生徒がいても大丈夫なのだ。

ただし、夏夜高の制服を着させないといけないがな。


「じゃあその言葉を信じて行くよ」


茜音にそう言われた。

私はクローゼットから制服をとってきた。

茜音には冬服を着せた。

私は夏服を着た。


そして私達は夏夜高に行った。


「夏夜高に来たけど、何するの?」


茜音が不思議そうに聞く。

まあどうするかを茜音に言っていなかったから、仕方が無い。


「人に聞くんだよ。 例の情報屋さんに」


「もしかして春奈?」


「その通り」


そして私達は情報屋の所へ行く。


「春奈」


「どうしたの、結音」


そう言って、彼女は視線を窓の外からこちらに向けた。

彼女の名前は鈴木春奈すずきはるな

私と同じく夏夜高の高校1年生。


彼女は情報屋と中学生の時から言われていて、周りの事なら何でも知っている。

何で彼女が情報屋と言われているのかと言うと、

彼女の姉達が有名な人物な為に情報が沢山入る。


彼女の姉達は夏夜町のお助け隊と言われていて困っている人を助けたり、

小さな子供達と遊んでいる。

だからなのかその絶大な人気のおかげで情報が入ってくるという。

まあ町は広いけどそれは面積上のお話で、人間関係など狭いのだ。


「鈴木先生について聞きたいんだけど」


「鈴木って居たっけ?」


「鈴木一樹。 数学科の」


「あ〜。 あの人ね」


私が名前を教えると春奈は思い出した顔をした。


「思い出してくれた?」


「うん、思い出したよ。 何を知りたい? 何でも教えてあげる」


「何で感情を無くしたのかを知りたいんだ」


「その事ね。 仲良かったから教えないとね」


「お願い」


「でもその前に高校でないと駄目じゃない?」


茜音がそう言った。

そして私達は高校を出て、ファミレスに行く事にした。

私達は頼みたいものを頼んだ。


「何があったか教えてくれる? 何があっても私は覚悟を決めるよ」


「分かった。 もう十年前の話になるけどさ…」


そこから春奈が話をしてくれた。

10年前に交差点で事故があった。

その事故の被害者が鈴木先生の彼女だった。

でも彼女さんの名前は聞けなかった。

そこまでは分からないみたいだ。

だからファミレスを出て、鈴木家に行った。

調べることができるみたいだ。


「雪姉、パソコン貸して」


春奈は姉の雪華さんにそう言った。


「どうしたの? スマホでも調べる事が出来るじゃないの」


「雪姉のパソコンじゃないと容量が大きいファイルが開けないの」


「使用を許可する」


雪華さんに許可を貰って、私達はブラウザを開いた。

そして十年前のことについて調べた。


「2009年の事故で調べて出てこない……。 嘘でしょ?」


「夏夜って入れなきゃ」


「そうだね」


そして夏夜とワードを入れて私は調べた。

1件の検索結果が表示され、私達はそれを開く。

新聞のようだ。

どんどんスクロールしていくと気になる記事が目に留まる。


「春奈。 これが春奈の言っていた事故?」


「そうだよ」


私は人物の名前を見る。

そこには松田まつだ 陽葵ひまりと書いてある。


「嘘だ…」


私はそう思わず言ってしまった。

その人物は私の姉だ。

この事実を初めて私は知った。

実の姉、陽葵とは私が3歳の頃まで一緒に暮らしていた。

でも事情があって離れ離れになった。


「結音ちゃん、知ってしまったか…」


「私の実の姉だったんですね」


「何で鈴木先生が感情を無くしたのかをどうしても知りたい?」


「…知らなきゃ、分からない事が沢山あって混乱します。 覚悟は決めてます」


「それじゃ話すかな」


そして雪華さんは話をしてくれた。

事故で私の実の姉を亡くした鈴木先生は夏夜の人に後ろ指を指されていた。

「彼女を守れなかった情けない人間」としてのレッテルを貼られた。


それでも一生懸命頑張って教師になった。

年数が経つ度に後ろ指を指され事は無くなり、レッテルも消えた。

それと共に事故も風化して行った。


だから感情を失ったのかもしれないと。

その話を聞いた時私は怒りに震えた。


ひとまず話を聞いて解散する事にした。

衝撃の話を聞いたけれども、私は引き下がれない。

信頼されているのなら、やるしか無いからだ。

























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