第32話 エヘッ! 32
「私の名前は土月。ある日、土村が妖怪に襲われて、気が付いたら土山にいて土鳥や土獣に育てられて、下山する頃には土侍になっていました。」
土月の悲劇的な生い立ちであった。
「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」
おみっちゃんは茶店のアルバイトとして働く。
「良かったら土器です。貰ってください。」
土月はおみっちゃんに土器を渡す。
「ありがとうございます。エヘッ!」
貰えるものは貰っておくエヘ幽霊。
「勝負だ! おみっちゃんをかけて勝負だ!」
「望む所だ! 隣村で妖怪を1番倒した者がおみっちゃんを手に入れることができるのだ!」
火月たちは去って行った。
「おみっちゃんは物じゃないよ。」
呆れる女将さん。
「私は可愛い幽霊です。エヘッ!」
いつも明るく笑顔で前向きなエヘ幽霊。
「自然斬!」
みんなで斬れば怖くない。
「ギャア!」
妖怪を一掃した。
「おみっちゃんは私のものだ!」
「何を! 私のものだ!」
みんな仲良く小競り合い。
つづく。
おまけ。
せっかくなので他のジャンルでも試してみよう。
「私の名前はソイル。ある日、土村が魔物に襲われて、気が付いたら土山にいて土鳥や土獣に育てられ、下山する頃には土騎士になっていました。」
ソイルの悲劇的な生い立ちであった。
「私の名前は土月ソイル。ある日、東京で怪事件が起きて、異星人に助けられたら土を操る力を手に入れて、気が付いたら土の超能力者になっていました。」
土月ソイルの悲劇的な生い立ちであった。
「私の名前はファイア。」
「私の名前は火月ファイア。」
ごり押しだ。現代ファンタジーで土の良い名前が思いつかない。仮に火でも試してみる。変な名前。それならごり押ししてしまった方が将来的に名前を決める時に疲れなくて良い。
「ファイア・マン?」
なんかスーパーマンみたいだ。
「一体だけならいいが、もう一体、火属性の味方か敵がいたらどうする?」
ファイアとフレームで戦わすか?
「私の名前は歌月ソング。ある日、歌村が魔物に襲われて、気が付いたら歌山にいて歌鳥や歌獣に助けられ、下山する頃には極度の音痴でデスボイスになっていた。」
歌月ソングの悲劇的な生い立ちであった。
「極度の音痴でデスボイスって、かなりの不幸な設定だったんだな。」
それを明るく描くって素敵。
「で、おみっちゃんを巡って、隣村で戦って敵を倒しめでたしめでたし。」
後はおまけと悪役さんと。
「あっさり終わってしもうた。」
物語を作る、続けるって難しいな。
「一番幸せなのが同じことを新キャラクターか、新アイテムで繰り返していくだけなんて。」
ドラえもんやアンパンマンを作っている人は悲しくならないのだろうか? お金のためと割り切って楽できるから同じことの繰り返しでも続けているのだろうか?
「それでも続けていく。」
というのなら茶店の歌姫の同じようなことの繰り返しで物語なんて十分なんだよね。省略をしなければ1話の話としては完成。また明日考えよう。間が空けば何か良いことを思いつくかもしれない。
「ああ~新しいことを考えるのに限界があるから、少しの手直し同じことの繰り返しでいいのか。」
アニメにしろ、大食い動画にしろ、飽きたら見ない。何か新しいことを始めないとって感じ。竜玉、女の子の服、不幸を呼ぶ探偵、もう飽きてるから見ても見なくてもいいんだよね。海家族が打ち切りと噂されながらも一番視聴率が良いのが趣があって面白い。
「剣や魔法は女子には関係ないし、ラブコメもエロ方面でないと男には関係ない。」
最終的には日常を描いているだけのものの方が一般大衆の理解、支持、共感を得るということか。
「日常はエピソード。最後は必殺技で終わり。」
これは猫型ロボットでも顔がアンパンでも変わりはない。最後が無いのが海家族にお尻丸出し星人か?
「でも現代ドラマのオチって、手術する。法廷する。事件を解決する。お約束のパターン。」
まあ、視聴者は分かりやすい。でも飽きてるから見なくてもよい。
「日常モノのオチって、猫が魚を咥えていく逃げるとか、姉が弟にからかわれて仕返しに追いかけるとかしかない。」
やはり勧善懲悪。最後は戦って終わった方が分かりやすい。おまけに勝者が歌を歌えば更に良い。円盤が売れるから。声優にコンサートもさせれば更に儲かる。大人の事情作品ばかり。裏は金儲けだが、表で子供に夢が与えられカモフラージュできればいい。
「アイドルになるために戦うのか?」
ダイレクトにストレートに実直に言ってしまえば、戦って勝った者が歌を歌う。格闘ものとアイドルモノの恐ろしい融合。しまった。茶店の歌姫もアホなデスボイス設定にしないで最初からそうしておけば良かった。
つづく。
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