第31話 エヘッ! 31

「私の名前は木月。ある日、木村が妖怪に襲われた。気がつけば木山にいて、木鳥や木獣に育てられて、下山する頃には木の侍になっていた。」

 これは木月の悲劇的な生い立ちであった。


「いらしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」

 おみっちゃんは茶店でアルバイトしている。

「好きだ! おみっちゃん! 結婚してください!」

 木月は盆栽の植木鉢をプレゼントする。

「ありがとうございます。エヘッ!」

 自称、可愛さは罪なエヘ幽霊。

「ちょっと待った! おみっちゃんと結婚したければ勝負だ! 誰が1番隣村の妖怪を倒せるか!」

「望む所だ! いざ! 尋常に勝負!」

 火月たちが現れ不幸な隣村に出発した。

「あいつらはアホか?」

 呆れる女将さん。

「平和っていいな。エヘッ!」

 黄昏るエヘ幽霊であった。


「水金地火木氷雷風! 8連斬り!」

 見事なコンビネーション攻撃。

「正義は勝つ!」

 火月たちは隣町の妖怪を退治した。

 つづく。


 おまけ。

「隣町は妖怪を呼び寄せる何かが眠っているのだろうか?」

 不幸過ぎるぜ。

「超省略したら1話500字以下でできちゃった。アハッ!」

 思わず笑ってしまう。


「死んだ人の人生をエヘ幽霊が進というのはどうだろうか?」

 死人の夢を叶え、死人の無念を晴らす物語。

「これなら現代ファンタジー、現代ドラマの両方でも使えそうなストーリーだ。」

 茶店の歌姫から路線がかなり変わるな。それか修正してできるものなのか。


「無念だ!」

 おじいちゃんが孫娘を悪党にさらわれて殺されました。

「呼びましたか? エヘッ!」

 そこに現れる我らがエヘ幽霊。

「孫が! 私の大切な孫娘がさらわれました! 助けてください! 死神様!」

 亡くなったおじいちゃんはエヘ幽霊を死神と思っている。

「違いますよ。私は幽霊ですよ。エヘッ!」

 エヘ幽霊こと、おみっちゃんは幽霊である。

「あなたの無念を晴らしましょう。その代わりにあなたの体は頂きます。エヘッ!」

 おみっちゃんはおじいちゃんの体に取り憑く。


「キャアアアアアア! 助けて!」

 カワイイ孫娘が悪党に襲われている所だった。

「待ちなさい!」

 そこにおみっちゃんが現れる。

「なんだ!? ジジイ!? 確かに殺したはずだぞ!?」

 手を止める悪党。

「おじいちゃん! 助けて!」

 助けを求める孫娘。

「直ぐに助けてあげるから待っててね。エヘッ!」

 おじちゃんは気持ち悪く笑う。

「ジジイを殺しちまえ!」

「おお!」

 悪党たちの魔の手がおじいちゃんを襲う。

「おいで。悪党ども。」

 おじいちゃんが悪党と対峙する。


 パターン1

「アタタタタタタタッタタタタタタアッタアタタッタタタタッタタタタター! おまえはもう死んでいる。」

 おじいちゃんが拳で悪党を殴りまくる。

「ギャア!」

「アベシ!」

「ヒデブ!」

 悪党は倒される。


 パターン2

「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」

 おじいちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だった。

「ギャア! 耳が腐る!」

「アベシ!」

「ヒデブ!」

 悪党は倒される。


「おじいちゃん、ありがとう。」

 孫娘は無事に助けられた。

「元気に生きるんだよ。バタッ。」

 おじいちゃんは満足そうに亡くなり天に召された。

「おじいちゃん。お孫さんを救えて良かったですね。」

 おみっちゃんはおじいちゃんを見送る。

「ありがとうございました。」

 安心して笑顔でおじいちゃんは天に昇って行った。

「良いことしたな。エヘッ!」

 いつも明るく笑顔で前向きなエヘ幽霊であった。

 終わる。


 おまけ。

「感動的な良い話だが、これを毎回続けるのはしんどいな。」

 一回、茶店の歌姫という設定から離れた方が楽だな。

「どうして極度の音痴でデスボイスなんて話を思いついたんだろう?」

 今更、不思議の壁にぶち当たるのであった。


「おい! 私たちのオチのコーナーはどうした?」

 怒る酒呑童子。

「ここでやめたら敵役の育成。形成に支障が出るぞ。」

 困惑する玉藻の前。

「諦めたら、そこで終わりですよ。」

 安西先生的な大嶽丸。

「あれ? 私たちって意外に良い奴だな。」

「それを自分でいっちゃう?」

「だって、日本の大妖怪だもの。」

 ステキな悪役たちであった。

 つづく。

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