第30話 エヘッ! 30

「私の名前は地月。ある日、地村が妖怪に襲われて、気が付いたら地底にいた。そこで地鳥や地獣に育てられた。下地上に出た頃には私は地の侍になっていた。」

 これが地月の悲劇的な生い立ちであった。


「いらっしゃいませ! 美味しい! 美味しい! お茶とお団子ですよ!」

 おみっちゃんは茶店でアルバイトに勤しんでいた。

「おみっちゃん。これは地球の元気だよ。さあ、君にあげよう。」

 地月は地球の元気をおみっちゃんにあげようとする。

「ありがとうございます。エヘッ!」

 可愛く笑うエヘ幽霊。

「おみっちゃん。今度一緒に遊ぼうよ。」

 地月はおみっちゃんにデートを申し込む。

「ちょっと待った!」

 そこに火月たちが現れる。

「なんだ!? おまえたちは!?」

 地月は尋ねてみた。

「我々はおみっちゃん親衛隊だ! おみっちゃんをストーカーの魔の手から守るのだ!」

 火月たちはおみっちゃん親衛隊だった。

「おまえたちがストーカーだよ。」

 呆れる女将さん。

「勝負だ! 隣町の妖怪を倒した者がおみっちゃんに耳かきをしてもらえるというのはどうだ?」

「いいだろう! 勝負だ!」

 火月たちは隣村に駆けて行った。

「可愛いって、罪ね。エヘッ!」

 罪深き女、エヘ幽霊。

「平和っていいね。さあ、おみっちゃん。銭を稼ぐよ!」

「は~い! いらっしゃいませ! 今ならお団子2人前で1人前の料金でいいですよ!」

 おみっちゃんは仕事に精を出す。

「良くない! サービスした分はおみっちゃん、あんたの給料から引くからね!」

 守銭奴な女将さん。

「私が可愛いから許してください。エヘッ!」

 可愛く謝るエヘ幽霊。

「ダメ。」

 銭には厳しい女将さん。

「お許しください! 神様! 仏様! 女将さん!」

 こうしておみっちゃんは普段通りのアルバイト生活を選ぶ。


「水金地火氷風雷斬り!」

 7人集まれば7人の力を合わせて7連続の刀の攻撃ができる。文字数省略から生まれた恐ろしい対ボス用の攻撃方法である。今後に大いに役に立つだろう。

「正義は勝つ!」

 火月たちは隣村の妖怪を倒した。

「おみっちゃんと耳かきするのは私だ!」

「いや! 私が先だ!」

 醜い争いを繰り広げる火月たちの戦いはつづく。

 つづく。


 おまけ。

「最後におみっちゃんが嫁ぐか、歌姫にすれば物語は完結する。コナンみたいに永遠に続けるためには黒の組織を逮捕しなければいい。」

 延命の悪い前例である。

「現在、侍だが騎士、超能力者に置き換えれば転用は可能である。」

 パターンはできたし、この形さえ崩さなければ多種多様な物語ができることは間違いない。生みの苦しみも少なくて済むしね。

「この流れを続けていく方が良いだろう。後は敵キャラクターを登場させると少し物語に厚みが出る戦いになる。」

 結局、格闘ゲームとかにしかならん。

 つづく。


「私たちの必殺技でも考えましょう。私は鬼だけに金棒ね。」

 酒呑童子に金棒。鬼だけに。

「私は妖狐だから狐火ね。」

 玉藻の前は狐だった。

「三明の剣。」

 大嶽丸だけはまともな武器を持っていた。

「そろそろ侍たちと戦ってみようかな? でも負けたら嫌だしな。やっぱりやめておこう。」

 釈然としない日本の大妖怪の日常。

 つづく。

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