第9話  Oπ祭り

「それでは、聞いてください!OπTAIで「Oπ祭り」!!!」


先程まで誠実な対応をしていたグループとは思えぬような刺激的な光景が観客たちの脳裏と下半身に目に見えぬ刺激を与える。


観客たちの目の前には、都会では見られない程の立派な美しい山々が広がる。

観客たちは様々な山々を空から見下ろしている気分だ。


 純美たちは美しい顔の下に、高嶺の花としては似合わない衣装を身に纏っていた。

下からパンプス風の真っ白なダンスシューズ。ヒールカーブにはメンバーカラーの細い縦の線が入っていた。純美には赤、可憐には青であった。

 目線を少しずつ上に向けると、太腿の付け根辺りまでのデニムのローライズショーパンに目が行ってしまう。明らかに小さな衣装の為、ボタンは留まっておらず、カラフルな水着がチラッと見えていた。

 さらに上を見ると、メンバーの固有カラーに分かれたツイスト・バンドゥ・ビキニ。レザー調に光沢された素材は豊満な山脈をより欲情的に色を染める。

その上から中央にあるボタンが一つ留まった法被が優雅に舞う。少女たちが羽織ると大きすぎるのが伝わった。


 少女たちは観客たちの方より少し低いステージ上で歌い、踊っていた。

背後に設置された大きなスピーカーからはファンファーレのようなクラブミュージックのBGMが掛かっていた。BGMに合わせて純美たちは歌う。

 「おっぱい祭りだ わっしょい!わっしょい」

OπTAIは純美と可憐を中央に添えV字の陣形を組んでいた。

中腰姿勢で前かがみになり、胸を張り、「わっしょい!」のリズムに合わせて胸を持ち上げた。腹の底から出ている声は若い女の子だとは思えない程迫力があった。

卑猥な振り付けに


 「うひょー!デカ!」

 「飛び出ちゃいそうだ!」

 「恥ずかしくないのかな」

卑猥な振り付けと歌に観客たちは下半身の固くなっていくグロテスクな器官を気にしつつも、純美たちと同年代の子達が言われたら気付きそうな罵詈雑言を発していた。

OπTAI達の懸命な姿は男たちの精力を扇情的に煽る。

約3分間ほど行われた性的な音頭は終わった。純美たちの額や大きな柔らかな山々は水泡が浮かんでおり、汗のしずくが山々の谷に入っていく。

荒い息と共に独立した生き物のように盛り上がった山々は蠢いていた。


 「ありがとうございました!」準備が深々とお辞儀をする。

すっかり湯気の立った柔らかな二つの果実は今にも飛び出してしまいそうであった。

男たちは握りたくて仕方がない男根への意識をひたすら我慢する。


 「今、お聞きいただいた曲は私たちの1曲目のオリジナル曲になります。この後の物販でも販売しますので、よろしければ買って帰ってくださいね?」まだ呼吸は整っていなかったが、さわやかな笑顔崩さずに純美は観客たちに宣伝した。

 「それでは、早速ですが自己紹介をしてきたいと思います。まずは私から!」

純美は呼吸を整えて自己紹介を始める。

 「OπTAIキャプテン!河村純美と言います。21歳です。キャプテン。Fカップになります。1年半かけてこの育てた胸を皆様に見ていただき帰ってからおかずにしていただければ幸いです。よろしくお願いします!おっぱーい!」

 優等生のスピーチを思わせるようなしっかりとした自己紹介であった。観客にしっかり目線を向け、真剣な表情で語る彼女の自己紹介から真面目さが伝わるような礼儀正しい姿勢であった。ただ、自己紹介の内容と最後の「おっぱーい!」の部分で真顔で自身の胸を激しく上下させる以外は。


 「ハーイ!次はあたしが行きまーす。江橋可憐21歳です。チャームポイントは猫目と、みんなに見てもらうために作り上げたエッチな質感のスタイルとでEカップでーす。みんなー覚えて帰ってねー☆おっぱーい」清楚な黒髪ストレートの髪型。気さくな振る舞いで初対面である観客たちにも分け隔て無く対応する。純美と同時期に加入したメンバーで活動歴は一番浅い。経験値の少なさを思わせない程のファンサービスは小悪魔的な魅力があった。可憐は最後に可愛らしい笑顔と共に揺らした胸を穴があくまで見つめられていた。


 「はい!グループの1の元気っ子!土田葵21歳。Fカップです。みんな応援してね。おっぱーい」茶髪ショートヘアー、肩幅が広いく丸みを帯びたシルエット、カラーコンタクトを入れたような澄んだ瞳とFカップ。紹介通り、明るくまばゆい笑顔と胸元から弾けるような雫を振りまいていた。


 「はい、菊道夏希です。21歳です。一応、Fカップです。仲良くしてください。お、おぱーい、恥ずかし気に自己紹介を終える」おしとやかな箱入りのような印象。ハーフ系の顔立ちに困り顔、黒髪ロングが和装が似合いそうな美女。褐色な肌とほんのりむっちりしたボディは魅力的であったが、人見知りをする性格か、俯くことが多い。しかし、一部のファン層から熱心な視線をその小麦色のメロンに注がれていた。


 「藤本紗枝です。19歳です。よろしくお願いします。おぱーい」小声になってしまったのは小柄な体格に幼げな色白の小顔に反抗期を思わせるような茶髪ショート。引き攣った顔は観客におびえていた。普段メンバーからは妹のように可愛がられていた。プロデューサーであるNONAMEに心酔しているメンバーであったが実際の観客たちの獣のような姿を見て、不覚にもうろたえていた。


 「遠藤サレン21歳です。ロシアにルーツを持つクオーターです。でも、外国語はしゃべられないんでご了承ください!おっぱーい!」しっかりオチまで付けた、ハーフ系に幼さを足した顔立ち、ツヤのある黒髪ショートの持ち主は150㎝台と紗枝と変わらないくらいの小柄であったが落ち着いて自己を表現していた。メンバー内ではおバカキャラであり、実際勉強は苦手。しかし、自分の魅力を人に伝えることには長けていた。


 「松川ほなみです。20歳です。今日は短い時間ですが、覚えて帰っていってください!おっぱーい!」爽やかな笑顔は色白で愛らしいタヌキ顔であった。可愛らしい顔面とは反対に、手足が長く大人びたスタイルは同姓が見ても憧れるような天性のものであった。黒髪で丸いショートヘアーからコケシに似ている。舌足らずなしゃべり方だがしっかりしたコメントであった。普段は、紗枝の教育係のような役回りが多い。紗枝にとっては親友でもあり姉のように慕われている。普段通りのしっかりした特徴を伝えられていた。


 「菅野綾、21歳です。一応、副キャプテンです!小学校高学年からEカップまで発育してました。これから私たちの事を知っていって、広めていってくださったら嬉しいです。おっぱーい!」丸顔の豊満な肉体、現在ではHカップまでに成長した。副キャプテンであり、純美を陰ながら支えている存在。他メンバーからも相談相手になる事が多く、頼れる存在だった。


あと、2名の自己紹介が終わると、再び純美が司会を進める。


「ここからは『生バスト測定会』も併用して行っていきます。皆様の目の前でほんとに私たちがEカップ以上であるか承認になって頂きたく、、、」

純美は続ける。


「今から皆様には推しメンを選んでいただき、この羽織っている法被を正面から脱がしていただきたいと思います!」


20名しかいないはずの会場のボルテージは急騰し、熱風のような暑さが漂った。


 


 

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