氷室冴子先生の『銀の海 金の大地』 古代転生ファンタジー
氷室冴子先生の『銀の海 金の大地』が学生時代、大好きだった。
真秀の章は完結しているが、それに続く佐保彦の章は先生がお亡くなりになられたので未完(泣)
でも、真秀の章だけでもすごく面白い。
古事記にある「狭穂毘古(さほひこ)の叛乱」の物語がベースになっている。
大和王権が成立して間もない時代の話。
淡海の国(おうみのくに)に育つ奴婢の娘・真秀(まほ)は、ヨソ者扱いを受けつつも母と兄を助けて暮らしていた。
真秀の母である御影(みかげ)は5歳の子供と同じくらいの能力しか持たない。
兄の真澄(ますみ)も美しいが、生まれつき目が見えず、耳も聞こえない。
しかし、真澄は真秀と心の声で話すことができる霊力がある。
実は真秀の母親である御影は「生まれてくる子は佐保を滅ぼす」という予言を受けた佐保の王族の姫だった。
そして父親は丹波の国の長の美知主(みちのうし)。
でも、その血筋を公にはされておらず、本人ですら知らなかったので、彼女は貧しい生活を送っていた。
真秀は、その身に流れる巫王の一族の血のために、動乱の中に捲きこまれていく。
真秀は佐保の王族の佐保彦と出会い、彼から「滅びの子」として憎まれるが、二人は次第に惹かれ合うようになる。
陰謀渦巻く大和朝廷で、彼女はその稀有な血筋ゆえに様々なトラブルに巻き込まれる。
出てくる男たちがみな美しくて、それぞれに魅力的。
そして何よりも真秀の逆境でもめげないそこらへんの男性よりも気の強い面と、姫の姿になると男たちを魅了する美しさのギャップにやられた。
氷室冴子先生、魅力的な古代史をありがとうございますm(__)m
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