廣津留すみれ先生の『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』 問題解決の方法
私は二つ以上のことを同時にするとどれもが中途半端になってしまう、まさに「二兎追うものは一兎をも得ず」な不器用タイプなのだが、複数のことを同時にこなせる人っているんだなぁと読んで感動した本がある。
廣津留すみれ氏の『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』
大分の公立高校を卒業したあと、塾なし、独学でハーバードに現役合格し(お母様がもともと英語の先生)、首席で卒業、さらに、世界最高峰のNYジュリアード音楽院も首席で卒業という経歴の女性が著者。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ではなく、「二兎追って三兎得る」にしようと。
アメリカでご活躍の方なので、人と違う意見を意地でも言うことといった日本との文化の違いにも触れていて、これをそのまま保守的な日本の企業に勤務するサラリーマンやOLが職場で同じことをやってしまうと、まずい立場に追い込まれるリスクもあるかもと感じる部分もあるが、早速実行したいと思うことが盛りだくさん。
彼女が日々実行しているのは以下のこと。
【成功への鍵 問題を解決する方法】
準備1 直面している課題についてできるだけ多くの情報を集める
(問題解決には背景にある些細な情報が不可欠)
課題の本質がクリアになり、表面上では見えなかったハードルが浮き上がる
準備2 いつまでに解決すべきかという締め切りを設定する
(何をやるにも締め切りを決めて緊張感を保つ)
シンプルに締め切りまでに絶対に仕上げよう!という緊張感とともにモチベーションが高まる
プレッシャーは高すぎると焦りを生んでよくないが、少なすぎると人を怠惰にする。
バランスは大事だが、集中力を高めたいときはとりあえず高めに設定
【問題解決の4つのステップ】
1 ゴールを決める
2 中間目標を決める
3 中間目標をクリアするためのタスクを書きだす
4 今日できるタスクを「TO DO リスト」に落とし込む
①ゴールを決める
「4月までに資格をとりたい」ではなく「4月までに資格をとる」
漠然とした目標ではなく、明確に数値を決める。
営業マンなら「顧客を増やす」ではなく「顧客を3ヶ月までに20%増加させる」と具体的に
②中間目標を決める
(例)資格の試験で90点をとる、顧客を100人増やす
課題が大きすぎると達成感を遠くに感じ、挫折しやすくモチベーションが高まらないので、少し低い目標を小刻みに設定し、自分に「これならできる」と思わせる。
③中間目標をクリアするためのタスクを書きだす
設定した中間目標ごとにクリアするためのタスクを洗い出す
ここでは数値にこだわらず、できることを当たって砕けろの精神でリストアップ
(例)専門用語を500暗記する 予算30万をあてて強力なWEB広告をだす
考え出したタスクの中に締め切りまでに実行することが難しいものがあれば躊躇なく取り除き、現実的な代替策を探す
④今日できるタスクを「TO DO リスト」に落とし込む
全体のスケジュールから逆算して、3ヶ月後、1ヶ月後、再来週、来週……と未来から現在へとやるべきことを落とし込み、「今日何をするべきか」をその日1日のTODOリストに書きだす
(例)専門用語を30語暗記する 広告のデザイン案を仕上げる
後はTODOリストどおりに、いまできることを淡々とこなすだけ。
「今日何をするのか?」までやるべきことを落とし込むことが大切。
以上が、広津留すみれ氏の成功の鍵。
最近、私、プライベートなことで「マジで締め切りに間に合わんかも!?」という悲惨な事態に直面し、ひーっ!! ってなってたんですが(なんとかギリギリセーフで提出)、この本を読んで、約束した期日の日にバタバタする羽目になるのは細かい毎日の過ごし方の目標設定が超甘いからだと大いに反省したのであった……
私も、1日の過ごし方から見直すぞ!と決意したのであった。
映画音楽の話も書いてあり、とても興味深かった。
著者の廣津留すみれ氏は若くしてカーネギーホールでも公演を果たしたヴァイオリニストで、音楽ビジネスの拠点はニューヨークだが、ゲームや映画などのサウンドトラックを制作する仕事では、ボストンで録音することがよくあるそう。
ところが、低予算のアニメ映画などでは、ボストンでレコーディングする資金がなく、人件費がより安いハンガリーやチェコなどの東欧諸国でレコーディングする作品が増えているそう。
作曲家とディレクターだけが飛行機で東欧に飛び、現地のオーケストラを雇って録音。
作曲家がスカイプを使って自宅からテレビ電話で参加することも。
高品位な音楽CD録音なら、誰が演奏するかも重要だが、ゲームや映画のサントラならそこまでのクオリティを求められないケースが非常に多い。
最近の録音技術なら、エンジニアが少し手を加えたら、平凡な演奏がたちまち素晴らしいものになる。
この場合、飛行機の交通費を差し引いても、人件費や経費の面で安く抑えることができる。
ボストンの音楽家たちは、これまでボストン周辺の音楽家たちがライバルだったのに、今後はハンガリーやチェコの演奏家もライバルになる。
クオリティでは負けない自信があっても、「予算内でそこそこの演奏をしてくれたらいい」というニーズには応えられない。
音楽家の中でも、「技量をもっと磨こう」だけでなく、「競争の中で選んでもらえる演奏家になろう」というセルフブランディングや仕事の姿勢を見直すことによる危機意識が募ってくるようになった。
このように書いていて、今まで日本では子供に英語を学ばせる、また自分が学ぶことが「他の人との差別化」につながっていたけれど、その発想はもう時代錯誤で、スマホの翻訳機能が今より向上すれば、日本で通じる学歴ではなく、自分で本当に考えられる力が必要だと。
とても考えさせられる内容だった。
廣津留すみれ先生、何をやるにも締め切りを決めて緊張感を保つことの大切さを教えてくださってありがとうございますm(__)m
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