若木未生先生の『グラスハート』 バンドにかける熱い青春

 大学時代にめっちゃハマって、新刊でたら即買いしてたコバルト文庫の本。


 その後、なかなか出てなくて、完全に忘れた頃に最終巻が出ていることを図書館で知り、即借りる。


 初期の橋本みつる先生の挿絵が好きだったんだが、それはさておき、いつのまにやら幻冬舎バーズノベルスから最後は刊行。


 めっちゃ大好きな熱いバンド小説だった!!


 当時、「現実的な話は売れないからファンタジー書いてください」みたいな話もあったらしいが(若木先生の別作品の『ハイスクール・オーラバスター』シリーズのことかいな?)、私は若木先生の作品で一番これが好きダァー!!


 登場人物のメインキャラ、ほぼ全員音楽が好き過ぎる人たちで、激しく音楽への思いを語っていく。


 小説だから、自分のテンポで読めばいーんだろうけど、なぜか息継ぎできない感じの疾走感。


 主人公は高校生の女の子、西条朱音(さいじょうあかね)。


 ドラムもキーボードもできるという「X JAPANのYOSHIKIか!?」みたいな設定(違うんでしょうが)


 彼女は「女だから」という理由でバンドをクビになってしまうのだが、メジャーデビューがすでに決まっているバンドから突然「ドラムをやってほしい」と電話が……


 バンドメンバーは天才音楽家でボーカルの藤谷直季(ふじたになおき)、朱音が崇拝するギタリスト高岡尚(たかおかしょう)、キーボードの坂本一至(さかもと かずし)、そしてドラムの朱音。


 若木先生はこういうお仕事(アルバイト?)を少しかじったことがあるらしく、実際にありそうな話で面白かった。


 音楽業界の闇、ドロドロとした人間模様、思うようにいかないことが降りかかってくるたび息苦しくなるくらいリアルな小説だなぁと思った。


 読むと、とりあえずバンドのライブに行きたくなる。


 曲作りやライブを通してメンバーがどんどん成長していく姿と、若木先生の描く登場人物たちのテンポの良い会話が面白かった。


 個人的には藤谷さんの異母弟の真崎桐哉(しんざき とうや)が好き。(もはや読んだ人にしか分からない話)。


 若木先生、熱いバンド小説をありがとうございますm(__)m

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