Raphael華月先生の『小夜曲~悲愴~』 19歳で早逝した天才ギタリストの紡ぎ出す世界観
学生時代、ビジュアル系バンドRaphaelにハマった。
『小夜曲~悲愴~』という曲が特に印象に残っている。
どうしたら10代の少年がこんなメロディを思いつくのかと衝撃だった。
作詞・作曲をした華月の狂ったようなギターのリズムの虜になった。
『小夜曲~悲愴~』歌詞
うたた寂しい 孤独の調べ
悲愴の果てに 迷える小夜曲
深い諦め 心はそぞろ 甘い優色 可憐な夢心地
綺麗に飾られた花を
君愛しそうにつみ微笑んで
私はただの花 貴女の部屋では
所詮はただの花 あの場所を離れたら…
(作詞:作曲:華月)
18歳の若さで日本武道館でライブをし、19歳で死去した華月。
彼がもっと長く生きていたらRaphaelというバンドは有名になっていたに違いない。
児童文学や少女漫画を好み、『トーマの心臓』(萩尾望都)や『天使なんかじゃない』(矢沢あい)、『ハックルベリー・フィンの冒険』(マーク・トウェイン)などを愛読した彼の紡ぐ歌詞は独特の思想と世界観があった。
『トーマの心臓』も『天使なんかじゃない』も『ハックルベリー・フィンの冒険』も大好きな私は華月の音楽に出会って即死。
彼は活動の途中で整形をしており、自ら顔をいじったことをオープンにしていた。
華月はじめRaphaelのメンバーは過去にテレビ番組で「君らブサイクやん」と芸人さんにいじられたことがある。
そのとき華月は芸人さんと一緒に笑った。
でも私は成形前の彼も好きだ。
男は顔じゃないって思った。
彼の作る音楽には圧倒的なカリスマ性があった。
彼が生まれもって狙った女は全て落とせるくらいのモテ系美少年であったなら、切ない恋の歌詞は書けなかったのかもしれない……とすら思う。
以前、GLAYのTAKURO氏がイケメンじゃないほうが恋の歌が書けるということを歌番組でサラっと言ったことがあった。
他のメンバー(TERU、HISASHI、JIRO)よりも自分はモテないという自虐的な意味合いが込められた言葉だが、個人的にはヒット曲をいくつも出しているTAKURO氏は凄いと思う。
モテない男のほうが恋愛の難しさをよく知っているから詞が書けるのだと彼は言った。
華月の書く詞には思うようにならない恋の苦悩や人生の葛藤が詰まっている。
「うたた寂しい 孤独の調べ 悲愴の果てに 迷える小夜曲 深い諦め 心はそぞろ」
こんな歌詞、失恋の痛みを味わったことのある人じゃないと思いつかない……
繊細で破滅的で切なくて感受性豊か。
華月は永遠の少年。
華月先生、たくさんの名曲を残してくれてありがとうございますm(__)m
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