吾峠呼世晴先生の『鬼滅の刃』 私は断然おばみつ派の伊黒推し
大正時代を舞台に主人公が鬼と化した妹を人間に戻す方法を探すために戦う物語。
主要登場人物が鬼との闘いで容赦なく次々と死んでいく……
そんな残酷無常な展開なのに(殺人事件の推理小説とか私、キライなのに)これほどまでにハマった漫画は初めてだった。
私は登場人物の中で一番好きなのは、伊黒小芭内(いぐろおばない)。
そして彼が恋する甘露寺蜜璃(かんろじみつり)とのカップリングはファンの間で「おばみつ」と呼ばれている。
家族愛、兄弟愛、師弟との絆、同志との友情、主要登場人物はそういう話が多いこの作品の中で、おばみつは数少ない恋愛要素。
めっちゃキュンキュンしましたっ!!
ゆえに私の『鬼滅の刃』の感想は著しく偏りがございますっ!
「私はむいくん(無一郎)が好き」、「義勇がカッコイイ!」といった他のキャラが推しの方、スミマセン。
甘露寺は大きな胸に細いウエストというナイスバディで可愛い容姿の女の子だが、見た目に似合わず超怪力で情熱で戦うパワー剣士。
一方の伊黒は細身で戦闘中でも冷静な判断力で敵を分析しながら正確な太刀筋で挑む頭脳派剣士。
この二人の絡みがめちゃくちゃ可愛い(個人的感想)。
甘露寺は桜餅の食べ過ぎで髪の色が桃色と草色になった特異体質。
筋肉は人の8倍の密度の力持ち。
天然で可愛いキャラだが特異体質のせいで17歳のときにお見合いするも男性のほうからお断りを受け、破談。
添い遂げる殿方を探すために鬼殺隊(鬼を殺す特殊部隊)に入隊。
自分が強くなればより強い男性に出会えると、鬼殺隊の剣士の中でもトップクラスの柱の一人になる。
一方の伊黒にはとても暗い過去があり、蛇女の生贄として牢屋に入れられ、食べるサイズが大きくなるまで育てられる。
牢屋から逃げ出すことができた伊黒は、従姉妹から「生贄のお前が逃げたせいで親族50人が蛇女に殺された、おまえが大人しく食われればよかったのに」と言われ、心に傷を負う。
やり場のない思いを鬼に向け、彼もまた鬼殺隊の柱の一人になる。
彼は甘露寺に一目惚れをするが、自分の出自がよくないことを理由に彼女への恋心を伝えず、ラスボスである無惨(むざん)を倒して鬼のいない平和な世界で生まれ変われたら甘露寺に好きだと伝えようと思っている。
このシーンを読んで、来世じゃなくて今世で告白してくれぇー!! と私は思った。
一方の甘露寺は自分の特異体質(髪型や怪力)に大きなコンプレックスを抱えていたが、普通の女の子のように接してくれる伊黒に胸キュン。
二人は一緒に食事をしたり、文通する仲。
怪力な甘露寺は可愛い見た目に似合わない大食いだが、大量の食事を嬉しそうに食べる甘露寺を優しい目でみつめる小食な伊黒。
伊黒は他の人間にはネチネチとしつこい性格だが、甘露寺にだけは靴下をプレゼントしたり、食事に行ったり、とても優しい。
伊黒は甘露寺が主人公の炭治郎と仲良くしていると盛大に嫉妬して「じゃあな さっさと死ね ゴミカス 馴れ馴れしく甘露寺としゃべるな」と炭治郎を冷たく牽制。
好きな女にはとことん甘く、他の人間にはとことん厳しい伊黒。
このギャップが伊黒の甘露寺への愛情の深さを表わしているようで堪らない。
無惨を倒して瀕死の状態の二人は愛を誓い合う。
生まれ変わったら告白しようと思っていた伊黒。
プロポーズをしたのは甘露寺から。
「私 伊黒さんが好き」
「伊黒さんと食べるご飯が一番美味しいの」
「だって伊黒さんすごく優しい目で私のこと見ててくれるんだもん」
「伊黒さんお願い」
「また生まれ変われたら私のことお嫁さんにしてくれる?」
こんなふうに言う彼女に伊黒は言う。
「勿論だ」
「君が俺でいいと言ってくれるなら」
「絶対に君を幸せにする」
「今度こそ死なせない」
「必ず守る」
泣けるっ!!
怪力で普通の女の子ではないとコンプレックスを抱えていた甘露寺に、伊黒は「君があまりにも普通の女の子だったから俺は救われたんだ」と言う。
彼女よりも強い男じゃないと絶対に言えないセリフ。
伊黒さんかっこよすぎ!!
マジで惚れた。
私、初めて伊黒が登場したとき、すごく線の細い顔の綺麗なキャラクターだから、「あー、このキャラ、BL同人誌とか描く人いたら受けキャラにされそうだな」とか思っていた←思う視点がそもそもオカシイ。
全力で謝ります!!
スミマセンm(__)m
おばみつの愛の告白シーン以降、ツイッターとかでファンの人が描くおばみつ画像が熱くて萌えた。
おばみつ以外のキャラクターも魅力的で、鬼になった人達も完全な悪とは言い難く、やむにやまれぬ事情を抱えて鬼と化したストーリーが深い。
そして鬼を倒すたびに、その鬼の抱えていた心の闇が浄化されるかのように浮き上がってクローズアップされるシーンにじーんときた。
何よりバカ売れで人気爆発の時期に23巻ですっきり完結させたのが素晴らしい!
人気が出てくると連載をやめさせてもらえず、話を引っ張りすぎてだんだん面白くなくなるケースもあって……
吾峠呼世晴先生、感動の少年漫画をありがとうございますm(__)m
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