ジーン・ウェブスター先生の『あしながおじさん』 男の嫉妬と独占欲
「小学生の頃、一番好きだった本は何か?」と聞かれたら、間違いなく私は『あしながおじさん』である。
超胸キュンのシンデレラストーリー。
以下、いつものように盛大にネタバレ。
あしながおじさんは、孤児院で育った貧しい少女が、自分を支援してくれる人、あしながおじさんに恵まれ、貧乏人の彼女にとっては夢のような学生生活を送る物語。
ストーリーは全て、主人公ジュディがあしながおじさんへ送ったお手紙という形式の文章で進む。
その生活の中でジュディはジャービスという素敵な青年に出会う。
ジュディはそのジャービスに恋をする。
しかし、ジャービスはお金持ちのお坊ちゃま君。
彼女は自分が孤児であることに引け目を感じていた。
ジュディは自分で稼げるようになりたいと、ジャービスの旅行の誘いを断って、夏休みに家庭教師のアルバイトをすることを決意。
実はこのジャービスこそがあしながおじさんの正体なのだが、ジュディは知らない。
彼はジュディが自立して、自分の元から離れていくことを恐れ、ジュディが稼ぐことを嫌う。
あしながおじさんの正体を知らないジュディはお金を稼ぐ行為にあしながおじさんが喜んでくれないことが意味不明。
ジャービスはあしながおじさんとして受け取った手紙の中に、ジュディの友人のお兄さんであるジミーの話がでていたことをとても気にしていて、「きっとジュディはジミーのことが好きなんだ!」と盛大に勘違い。
他の男にとられる前にとジュディにプロポーズをする。
しかし、ジャービスに自分が孤児だと言い出せないジュディは「彼に嫌われるくらいなら」とそのプロポーズを涙の思いで断る。
ジャービスは、ジュディはジミーが好きなんだ、だから俺はフラれたんだ! と大誤解。
独占欲と嫉妬でメラメラ。
ついには体調不良。
ジャービスはジュディが大好きだからこそ、彼女に優しくできないし、冷たくしてしまう。
おまけに病気になってしまう。
最終的に、ジャービスが「あしながおじさん、聞いてください。私、とても悲しいことがありましたの。大好きな人がいたんですけど、孤児の貧乏人と知られたくなくてプロポーズをお断りしてしまった人がいるんです」というジュディからの手紙を受け取り、「あしながおじさんはぼくだよ」と告白。
めでたく二人はハッピーエンドという物語。
私が小学生のときに読んだのは1972年に発行された三木澄子さんの訳の『あしながおじさん』。
ジャービスの行動を見ると、適度な嫉妬が結婚を加速するのがよく分かる。
誤解はよくない。
でも、他の男にとられてしまうかもしれない! と思わせたほうが、相手は早く結婚したくなるのかもしれないなぁと思った私はたぶんマセたガキである。
ウェブスター先生、男の嫉妬と独占欲にキュンキュンしちゃう恋愛小説をありがとうございますm(__)m
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