⑤8体目の神獣を倒す~クリアまで
【前回までのあらすじ】
8体の神獣をすべて倒せば世界征服を企むラスボスの野望を阻止できるっぽい!
急げリースちゃん!
× × ×
……というわけで、古の都ペダンという場所を経由して8体目の神獣を倒したリースちゃんたち。
しかしその直後、フェアリーが「ピキーン!」となにかに気づきます。
どうやら敵はリースたちにわざと神獣を倒させ、それにより放出された力を「マナの剣」によって吸収していたようです。
「な、なんだってー!?」
リースちゃんたちは急いで黒の貴公子たちの待つ敵本拠「ダークキャッスル」に向かいます。その奥では”美獣”が敬愛する主を守るために待ち構えていました。
なんとか”美獣”との死闘を制したリースちゃんたち。しかし、8体の神獣を合わせた最終形態の力はすでにマナの剣を通じて黒の貴公子の手に渡っていました。
ついにリースちゃんたちの前に姿を現した黒の貴公子。彼は邪魔な存在であるマナの女神を滅ぼすため「マナの聖域」へと向かいました。
彼の後を追い最終決戦の地へ赴くリースちゃんたち。緑にあふれていた「マナの聖域」の草木は枯れ果て、荒れ果てた姿へと変貌していました。
その理由はすぐに判明します。聖域の奥で黒の貴公子と対峙したリースちゃんたちは、彼がすでに「マナの女神」を殺してしまったことを聞かされました。
彼は自らの最終目的を語ります。それは最終形態となった神獣の力を得て神を超越した「超神」となり、人間界とマナの聖域を魔界の領土として三界の王となるという恐るべき野望でした。
おそろしい魔獣の姿に変貌して襲いかかってくる黒の貴公子。リースたちは最後の戦いに挑み、激闘の末に勝利します。
しかし、マナの女神は死に、マナの力はこの世から消えてしまいました。そして長い旅の間ずっと傍で寄り添い続けてくれていたフェアリーも。マナの力なしでは存在できない精霊は消えてしまう運命にあったのです。リースちゃんたちはマナの力の消失とフェアリーとの別れを悲しみます。
しかし、その別れは新たな出会いのはじまりでした。
フェアリーは完全に消えてしまったのではなく、あらたなマナの女神に生まれ変わるための眠りについたのです。彼女はマナの女神の幻影となってリースたちの前に現れ、自身が次なるマナの女神に生まれ変わるための種のような存在だったことを明かします。
世界にマナの力が戻ったとき――それは千年もの長い年月が必要かもしれませんが、そのときになったら再びマナの女神は復活し人々を守り育んでくれることでしょう。
またフェアリーは消える寸前にリースの弟エリオットを救出してローラント城へ送還してくれていました。
かくしてリースちゃんたちの長い旅は終わり、世界には平和が戻ったのです。
その後しばらく経った頃。
荒廃したマナの聖域にはあらたな生命が芽生えはじめていたのでした……。
× × ×
ええ話や……。
そんなこんなで、とうとう一通りストーリーをクリアしました。
総プレイ時間は20時間ちょい。割と短かったですね。
リース主人公のシナリオはややラストに駆け足感があり手放しでは褒めることはできません(後述)。
ですがゲーム体験総体としての満足度は非常に高かったのも事実。十分に傑作の名に値するでしょう。
以下、ラストの展開に関して気になった点や良かった点をもう少し語っていきます。
× × ×
■ 黒の貴公子との因縁が薄くラストの盛り上がりに欠けた
黒の貴公子の名前自体は物語中盤くらいからちょいちょい出てはいましたが、彼の人となりが明かされたのはようやく最終盤に到った頃でした。
彼に仕えていた”美獣”により黒の貴公子の悲しい過去が明かされたのは、実質的なラストダンジョンである「ダークキャッスル」の最深部に到ったとき。
……遅い、遅すぎる!!
リースちゃんもポカンとしたに違いありません。弟のエリオットをさらったのはナバール盗賊団。その背後で糸を引いていたのは美獣。そこまではわかる。
だが黒の貴公子、てめーは一体何様だ!?
要するに主人公とラスボスとの間に個人的な因縁がないんです。まぁ世界征服をしようとしている悪いやつなわけだし、倒さなくてはいけないという理屈はわかる。
けれど「なぜ自分がやらなくてはいけないのか」というリースちゃんの個人的な動機にまでは到らないんですよね。だからいまいち感情が盛り上がらないんです。
これがもし、黒の貴公子がなんらかの理由でエリオットをぶち殺すなどしていれば。リースちゃんの怒りは筆舌に尽くしがたいものとなっていたでしょうし、ドラマも大いに盛り上がったでしょう。もっとも復讐は彼女に似合わないので別の理由が求められるところですが、個人的な因縁がほしかったというのはそういうことです。
■ 敵側がエリオットをさらった理由がよくわからない
先ほどの話もそうなのですが、こちらも同様に昔から指摘されていることのようです。
Web検索をしたところ同様の意見が多数見られたので内容については詳述はしません。
問題なのはこの件が雑に扱われてしまったために、エリオットの存在がリースを動かすための都合のいい舞台装置のようになってしまっていることでしょう。
これらのシナリオ上のミスは、噂によると開発期間の不足によりカバーしきれなくなってしまったもののようです。
せっかくの名作にこのようなケチがつくのは勿体ないので、できればリメイクの際に調整してほしかったところではあります。
まぁしかし、幼いエリオット君をさらいたくなる敵側の気持ちもわかります。
なんたってあのリースちゃんの弟なのですから、その可愛さは保証済み。
リースちゃんの弟になって溺愛されたい人生だった……。一緒に寝たらハーブみたいないい匂いがするんだろうなぁ。
■ 「
道中で立ち寄ることになる都市のひとつ。これがたまらなく痺れる演出で魅せてくれました。
リースちゃんたちが初めて訪れたとき、「ペダン」は廃墟にしか見えませんでした。どうやらとある事情により滅ぼされてしまった古代都市のようです。
しかし、あるきっかけにより町は旧日の姿を現します。どうやら時の流れがマナの力の変動によってゆがみ、昔あった町と繋がったのだそう。かくしてリースちゃんたちはかつての古代都市を探索できるようになります。
「滅ぼされた古代都市」というのがまずかっこいいですし、「その在りし日の姿がよみがえる」という展開も熱い。魔法的な力の存在により自由度の高い展開ができるファンタジーならではの胸熱なイベントですね。
× × ×
とりあえず今回はここまで。
「次回はあるのか?」という話ですが、現時点では未定です。
ただ、ネタはあります。
ストーリーを一通りクリアしたといっても、まだクリア後のエンドコンテンツがありますから……。
とはいえいささか疲れたので更新頻度は落ちると思います。
オリンピックも始まりますしね!
以上、お付き合いいただきありがとうございました。
『聖剣伝説3』初見プレイ日記 ぶらいあん @ateru1
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