百物語

お題41、ダンプカーの荷台

皆さん、車って乗られますか？私は出勤で乗るんですよ。助手席に。

ま、休みとか家族のドライバー係に任命されているので、週1～2は自分で運転してるんですけど、運転してて一番嫌なの。ダンプカーの後ろに付く事なんですよ。

今回はそんなダンプカーについてのお話なんですけど。

Aさんという方が車でドライブしていた時に、自分の前にダンプカーが車線変更して入ってきたんですね。

Aさんはうわぁって露骨に嫌な顔した。

そのダンプカー積んでいたのは土で、おまけにシートもかかってない状態だったんですね。

車線変更しようにもタイミングがなかなか合わなくて、しばらくそのダンプカーの後ろについてたんですけど、荷台の土を見ていると、何やら手のような物が見える。

いやいやいやいやいや、見間違いだろ、ビニールだろと思いつつ、それから目が離せなかったんですけど、ちょうど他の車線が空いたので逃げるように車線変更したんですね。

で、車を路肩にとめて、ドライブレコーダーの記録を見てみたんですよ。

間違いだって願いつつ、確認してみると荷台に手はあったんです。土から出てた。

ただ、一本じゃなかった。白い手がたくさん出て、土からはいでようとしている動作をしているんですね。

Aさんはその記録をすぐ削除した。もう忘れようとしたんですね。で、車を再出発させてもう帰ろうかなと考えていたら、渋滞になってしまったんですね。

なんだよ、と思って事故の情報を調べたら、ダンプカー横転って情報に乗ってるんですよ。

時間といい、事故現場の距離といい、どう考えてもあのダンプカーとしか思えなかった。

あのダンプカー、何運んでたんだ。