お題21、溺れる

昔、Aさんが公園で遊んでいた時、その公園には大きな池がありました。

子供だけで池の周りで遊んでいけないと、親から何度も言われており、しっかりとそれを守っていたんですが、ある日Aさん何故か一人で公園に行ったらしいんですね。そこの理由は何十年も前の事なんで忘れてしまったらしいんですけど。

一人でちょうどいい木の棒とか見つけてそれをぶんぶん振り回しながら池の周りを歩き回っているときだった。

ずるっと滑って転んでしまって、池に顔からどぼんっと入ってしまった。

といっても、浅瀬のはずなのですぐ起き上がれると思ったんですが、顔が上がらない。しかも、何故かどんどん池の中心に向かって引きずられているような感覚がする。

Aさんは溺れながらも体をバタバタさせていると自分の顔のすぐ横に蛇の顔があった。

その蛇が大きな口を開けて何かを噛んだ気がしたんですね、少なくとも自分じゃない。

すると、体の自由がきいて、池の底に手をついて顔を上げることが出来た。

別に蛇に関して何かあるわけではないのに、助けたとか、自分が蛇年だとかもなく、なぜ蛇に助けられたかは分からなかったようです。

その池も心霊スポットとして話題にはなる池だったようなんですが、蛇の逸話はなかったようです。

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