百物語

お題18、ナースコール

18ナースコール

さっきお話の中で救急車の事が出てきて思い出したんですが（お題17の事）、

怖い話といえば病院は外せませんよね。

今からお話しするのは病院の入院患者さんが体験した話になります。

その方をAさんと呼ばせて頂きますね。

Aさん、事故に巻き込まれてしまって、怪我のせいで入院する事になった。

案内されたのは大部屋だったんです。

４人部屋の。

ただ、Aさん一人しかいなかった。３つのベッドは空いていたんですね。

まぁ、怪我している人が少ない事は良いことだよなぁ、どうせ他に後から入ってくるだろとか思いながら、がらーんとした大部屋に一人で入院生活が始まった。

入院し始めて、おかしいなって思う事があった。

夜中、看護師さんたちが見回りにくるんですよ。

それは普通の事なんですけど、決まった時間ともう一回違う時間帯に部屋に来て、少しうろうろして帰ってくんですね。

カーテンがかかってるので、誰が来たとかは分からないですけど、就寝しているか確認を結構しっかりするんだなぁってAさん思ってた。

でも、違ったんですよね。

退院してその後に、自分の知り合いが同じ病院で入院した事があったらしく、その時に聞いた怖い話を教えてくれてわかったんですけど、

Aさんが寝ていたベッドの横のベッド、そこが真夜中になると毎日ナースコール押されるんですって。

だから、見回りと違う時間に看護師さんが来てた。それで、あのナースコールはそういう現象が起きるものと看護師さんたち分かってるから部屋の中央で念のための確認をした後、すぐに帰ってたんですね。

やっぱり、病院というのは何かしらあるんだなぁと思わせてくれました。