お題15、女子更衣室

先程、会社のロッカー室のお話しましたが、

もう一つ、ロッカー室というか女子更衣室で不思議なお話が聞けたのでお話させてください。


とある企業で働いている女性から聞いたんですが、そこ、どんなに早く出勤しようとしてもどんなに早く退勤しても必ず二番目になってしまうんですよ。


そこの更衣室、ずっと死んだ女性の霊が佇んでいるらしいんですよ。


ただ、誰も邪険にしないんですって。新人さんはビビるらしいんですけど。

何で邪険にしないのかっていうと、早く出勤してまぁ、ようは一番早く出勤して誰よりも早くその幽霊に会えたら、何かしらラッキーな事が起こるんですね。それこそ小さい事らしいんですけど、コンビニのくじが当たるとかミスしたはずなのに何故か上手い方向に転がったとか、だから帰宅の時もそう。


だから、そこの女性社員たちみんな朝早くからびしっと出勤してて、帰りも早く退勤出来る様、スムーズな段取りつけて定時に退勤していく。

座敷童みたいな存在として扱ってたんですね。


それである日、話を教えてくれた女性がどうしても残業になってしまった。夜中までかかってしまって、頭もぼーっとしてきた。

もう駄目だ少し頭すっきりさせようと更衣室に財布をトリに行ったんですね、で、更衣室には幽霊も佇んでいたんですが、彼女は気にしないでいたんです。

その時、更衣室にあるベンチに少し腰かけたんですね。

その瞬間にもう疲れてた彼女、かくんっと眠っちゃったんです。

ただ、すぐに起きたんです。仕事しなくちゃって

ばっと立ち上がろうとした時に、あれ・・・?

毛布が肩に掛けられてたんです。防災用としてしまわれていたはずの毛布が自分に掛けられてた。

とっさに幽霊の方を見るとその防災用の毛布がしまわれていたロッカーの前に佇んでいました。

よく聞く座敷童みたいな存在は子供のような姿を想像しますが、彼女は普通の成人女性らしいです。


ものすごく直接的に助けてくれるそんざいだなぁと思って聞いてたんですけど、最後に怖い事を言ったんですよね

「その彼女、実は生きてる人って言ったらどうする?」

って。そういわれてめちゃくちゃ私の時が止まったんですけど、その後冗談と言ってるので信じることにします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る