第二話 相棒決定
ヒカリとケントが出会い物語りは動き始める。
あの事件の後ヒカリは治療を受けすぐ復帰した。だが彼女の頭からケントのことが離れない。彼は一体何者か。
ヒカリはいずれ全て知るであろう。
八神ケントの秘密を。
7月14日午前9時
アミスター1区 SAP本部
コンコン、
「入りたまえ」
「失礼します」
ケントはそう言って局長室の扉を開けて中に入った。
そして部屋の中には局長が座っていた。
その横にもう1人いる。
「お久しぶりです。未剣礼人局長。
そして熱田炎司 特等」
特等捜査官
捜査官の中で階級が一番上の身分である。
現在SAPには特等捜査官は熱田 炎司を含め7人いる。
ケントは深々と頭を下げた。
そして局長が最初に声を掛けた。
「ケント。B級犯罪者 青鬼の駆逐に成功したようだな。よくやった」
「いえ。当たり前の事です」
「だがその現場に二等捜査官を1人行かせたそうじゃないか。秘密理にやれと命令したはずだぞ」
局長は少し声のトーンを下げた。
ケントにはすぐわかった。
局長は少し怒っている。
「いや〜。その……。えっと……」
ケントは言い訳を一生懸命に考えた。
頭をフル回転させようとした瞬間
炎司特等がケントに怒鳴りつけた。
「おい!あと月村二等に0等捜査官って自ら名乗ったそうだな!?
あれほど他の奴には言うなと話したろ!テメーどういうつもりだ!!」
「え〜!それもバレてんスか!?」
ケントは驚愕した。さすがにこのことはバレていないと思っていた……らいしい。
局長は深くため息をついた。
「はぁー。全くどうするつもりだ。そうなったら一等捜査官と名乗れと言ったはずだぞ。しかも顔も見られてしまったらしいじゃないか」
「いや。だってアイツかぶってたフード勝手に取ってきたんスよ」
「ついでにお前セクハラ発言したらしいな」
「いや。あれは冗談というか……。
というか!?なんで炎司特等それも知ってるんスか!?」
「さっき本人から直接聞いたんだよ。まったく……」
ケントの不祥事がどんどん上がっている。彼は完璧に誤魔化していたと思っていたらいしい。ダメダメである。
局長はまた深くため息をついた。
「はぁー。まあいい。月村二等には黙っておくように言っといたからな」
「いや本当にすんません」
「まったく。反省してるかしてないかよくわからない態度だな」
特等は頭をかきながら呟いた。
局長と特等は彼が真面目か不真面目なのかもよくわからなかった。
だが彼が優秀な人材だとは2人とも認めていた。
局長は気を取り直し話しを続けた。
「とりあえず次の話しに移ろう」
「え?また別の事で僕怒られんるスか?」
「いや違う。これが本題……というかお前まさか別の所でも不祥事を起こしたのか?」
「いやあのその……」
「テメー。そこは いいえ って即答しろよ」
特等は呆れながら呟いた。
「まったく……。まあいい。とにかく本題に入るぞ。八神ケントお前を
一等捜査官に任命する」
「へ?」
しばらく沈黙続く。ケントはその言葉を理解するのに時間がかかった。
『えーーーーーーーーーーーー!?」
彼の声が部屋に響きわたる。
ケントは興奮を必死に抑えながら局長に質問をした。
「ちょっと待ってください!0等捜査官としての僕はどうなるんですか」
「ケント落ち着け。別に0等は剥奪じゃない。お前を含めた5人の0等捜査官はしばらく休業してもらうだけだ」
炎司特等がそう言うとケントは少し落ち着いた。
「なんだそういう事か。でもなんで突然」
局長は質問に答えた。
「しばらく0等は必要なくなる。その間にお前達0等は一時的に一等になって普通の任務を受けてもらうぞ」
「てことはしばらく……………。そうですか。ありがとうございます」
ケントは軽く微笑み頭を下げた。
しばらくしてケントが頭を上げると
特等が話しを始めた。
「そこでだ。お前にはパートナーをつけさせてもらう」
「本当ですか。いや〜。できければ
年上の綺麗な女性捜査官がいいな〜」
そう彼のタイプは年上の女性である。
「そうか運が良かったな。今からお前と組む奴はお前の好みの女性だぞ」
「マジで!?早く会わせてくださいよ!?」
「わかった。おい。入ってきてくれ」
彼はすごく期待に胸を高鳴らせていた。これは運命の出会いないかとかメルヘンチックなことも考えた。
しかし彼の想像は幻想に終わる。
「失礼します。月村アカリ二等であります」
「へ?」
ケントは戸惑った。なぜなら年上の綺麗な女性と言われたなにやってきたのは自分とほぼ同年代の女だからだ。しかも自分の苦手な人間だった。
「特等ちょっとこっち来てください」
「おい。なんだよ」
ケントは特等の腕を引っ張って局長室の外の廊下に連れ出した。
そしてケントは真剣な顔になって話を始めた。
「ちょっと待ってください。なんすか?嘘ついたんですか?普通にひどいですよ」
特等は必死に笑いを堪えながら話した。
「いやだって二歳年上じゃん。後綺麗じゃん」
炎司がそう返答するとケントは怒りに震えた。
「そういうことじゃないよー!もっと年上がいいんだよ。後アイツは綺麗系じゃないじゃん。可愛い系じゃん
マジかよ〜。俺のときめき返して〜〜〜〜〜〜〜!!」
「いやうるせえよ」
そう言って特等はケントの頭を強く引っ叩いた。
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