双子のこれからⅢ

「暁っ!!」


 私は勇気を出して、暁に話し掛けた。ただ、そんな私の声は聞いて貰えず、逃げるように上がって行った。


「大丈夫よ、本当は二人とも仲が良いんだから。心配しなくても、いずれ仲良しに戻れるわよ」


「…………お母さん」


 エプロン姿の母親が後ろから元気づけてくれるが、心配は拭えない。

 これまで何度も仲を戻そうと頑張ってきた。何度も学校で声を掛けたりした。だけど、毎回のように私を無視する暁の表情はどこか寂しげだった。


「神様……私達を昔に戻してください」


 天に祈るように私は一階のベランダから煌々と光る月へと手を胸の前で組んだ。

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