双子の過去Ⅵ

 結局、一日目のテスト、(数学・国語総合)は無力にも儚く散るのを、私は目の前で見た。

 そんな私とは真逆に、普段から真面目に授業を受けていた雪真はと言えば、


「……………………………」


 無言で解答用紙に文字を書き込んでいく。後ろに振り返ることは出来ないけど、音だけで分かる。さっきから机にカツカツと音を出しているのだ。


「…………はぁ」


 私は溜息を吐きながら、明日のテストについて考え始めた。


 でも、結局はその思考もすぐに散ったけど……。


 そんなこんなで最終日である三日目。

 そんな三日目の朝に事は起こった。

 朝の学校の下駄箱。私と雪真はそこでいつも通り上履きへと履き替えてのだけれど、何故か、雪真の動きが止まったのを私は見た。

 どうかしたのかな……。

 そんな思いで顔を雪真へと向けると、紅潮した顔。そして、嬉しそうな表情を浮かべていたのだ。


「どうかしたの?」


「……………」


「ん? もう、どうしたのよ」


「………どうしよう」


 私の質問にウンともスンとも答えない雪真。その視線の先にあるのは下駄箱。そして、その先には、もう一つ見慣れない紙が入っていた。


「ピンク色の封筒手紙……差出人は……」


 差出人を見た私は驚い。


「…………三城屋からだよ……暁、どうしよう……」


 予想外の相手からのピンクの手紙。

一見、可愛らしい色の手紙であったけど、その手紙が最悪を招く黒い手紙だと気付いた時には手遅れだった。

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