第三話 髄

あれから少し経った。女騎士は戦いについてこれず早々にリングアウト。弱すぎて足手まといだ。


ここで、スケルトンの呪いのメリットを話そう。


武器を使えない。つまり、魔法又は武器を使わない物理攻撃のみ使用可能。これはわかるだろう。そして、思い出してほしい。スケルトンは魔力で出来ていることを。つまり、あの体自体が武器になることもあれば体から骨を形成し、不意打ちも可能なのだ。


『どうだ、人間。諦めて楽になるべきではないか。』


「お使いを頼まれているんだ。ここで帰るわけにはいかなくてねっ。」


ジャンプをし、左手から右にかけて大回りな拳を放つ。


上手くかわされたが、最低限しか避けなかったので拳の振った時の力を利用し、体を回転させ、右足の踵を顔面に叩きつける。


バギィッ


鈍い音を出しながら、体制を崩す。しかし、身体の間から出した骨で体制を保つ。


「しぶといな。」


そんな感想が出るほど余裕も出てきた。


さぁ、もう終わらせるか。


そんなことを考えていると、


バキバキバカッ


骨野郎は身体中から骨を出し、奇形の化け物へと変貌した。


「フォルムチェンジってやつか?」


皮肉を言うが聞こえないか、声帯を失ったのか、返事はない。


当たったら痛そーだな。


そう思いながら、振り上げられたぶっとい拳を避ける。


もう終わらせよう。


「『黒き弾丸』」


小火力、分散。


バキバキバカッ


骨を木っ端微塵にする。


しかし、一瞬で再生させ、幾つもの骨が僕めがけて飛んでくる。


しかし、行動は終わっている。


骨は音を立てることなく、砕け散る。


再生させようとするが、魔力不足か、追撃が来ない。


僕は一気に距離を詰め、顔面を手で握る。


そして、その隙間に『黒き弾丸』を生成し、握る力を強くする。


制御弾、貫通、中火力。


「骨の髄まで刻み込め。僕が魔神王だ。」


『黒き弾丸』を放ち、身体の端まで貫く。


全て粉々になり、白い小さな物質だけがそこに残った。


「おい、そこの女。起きろ。」


しかし、起きる気配はなく気絶したままだ。


しかし、吉報もある。勇者たちがダンジョン近くにいる。


ダンジョンに行くついでに連れて行くとしよう。しかし、魔力がなくてダメだな。


担いで行くか。


渋々、お姫様抱っこをしながらダンジョンに向けて歩き出したのだった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


最近、夏バテにビクビクしながら生活してます。作者です。もう少ししたら、新しいヒロインも登場するので待っていてください。


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