二章 魔法使いの力
第一話 抱擁したくてしたんじゃない
ここはダンジョンに向かう森の途中。
僕は何故か騎士のような姿をした女をお姫様抱っこをしている。女は気絶しており、意識はないようだ。
このことの発端を知るには数時間前に遡る必要がある。
草の間に落ちている白い物体を避けながら僕はダンジョンに向かっていく。
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数時間前
エルフたちを魔王城に招待し、待合室で救護をさせていた。
オリエヴィア曰く、「もう少ししたら帰ってきますよ。ふふっ」と笑っていた。何故かわからんがまぁいい。早く帰ってくるならいい。
そんなことを言っていると、扉が開き、マーシャが帰ってきた。猫背になり、土を服に纏っている姿は少し、痛々しかった。
「どうしてそうなったんだ?」
「ダンジョンに行ってきた。とある所縁のある物を取りに行こうとしてな。」
「ダンジョン、魔王、所縁。」
むむむ。もしかして、
「グングニルか?」
「よくわかったな。」
グングニル。初代魔王が使っていた武器。
槍の形をしており、魔力を込めると形が変形するという物。タイプによって能力なんかが変わったりする。
「あはっはっは。ダンジョンの奥底にあるから、取りに行けねぇのか。ぷぷぷ。」
「お前なぁ。」
グングニルは僕が責任を持ってダンジョンの奥底に封印してやった。危ない代物だからね。あれに切られたら傷が治らなくなるらしい。怖い怖い。
魔王はアンデットには襲われないが階層の階段を破壊し、封印してやった。いやー。まさかこんなことになるとはね。
悪いことをしたよ。口に出しては言わないけどね。
「話は変わるがあのエルフたちはなんだ?私は連れてきた覚えはないぞ。」
「ああ、僕が連れてきたんだよ。なんか家ごと吹き飛ばしてしまってね。あと、魔王たちやアンデットたちと和平を結んでもらうためにね。」
「そうか。それはいい。しかし、家が、家がと、言って少しばかり、うるさいぞ?」
「家か、僕は建築系の魔法はからっきしでね?彼らでできる人がいたら、そいつに魔力を底上げする指輪を渡したらいいか。」
待合室の扉を開け、単刀直入に切り出す。
「建築系の魔法が得意なやつは手を上げてくれ。」
あたりを見渡すが誰も手を挙げないと思っていると、アイリスが弱々しく手を挙げた。
ふむ、しかし彼女の魔力量では村を作ることは無理だな。ならばやっぱり指輪が必要か。
そうして、待合室の扉を閉め、魔力探知を使う。
すると、反応はあったがはるか遠方の方に反応がある。そして、僕は気づいた。
「ダンジョンの奥底にあるじゃねーか。」
僕の怒号が魔王城に響き渡った。
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ダンジョンで何かはよくあるので、その行き道で何かあるのは斬新だと思い、そうしました。作者も異世界に行きたいです。
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