第6話:アルミラージのパテ(2)


 (すっきりした顔でティルレが調理場に入る)


 お待たせしたわー。

 さっそく具材を混ぜていくわよ。

 お肉も準備できてるし、テリーヌ型を準備しなきゃね。


 テリーヌ型は、陶器製が一番よ。

 これだと均一に火が通るし、遠赤効果で肉のうまみがしっかり出るの。

 そのテリーヌ型に、豚の背脂を敷いていきますわよー!


 ベーコンでも代用できるけど、しつこくなっちゃうから、私は背脂が好きね。

 これは、型に肉がひっつかないためのものだけど、脂をパテにしみ込ませたいからクッキングペーパーでは代用しないで。


 しっかり敷き詰めたら、お肉を混ぜて……

 って、ここまで言ったけど、あとは下のレシピを読んでちょうだい。


「ムッシュー! そんなことでいいんですか?」

「作り方、永遠と説明したら、退屈じゃなくって?」


「ですが、一応料理枠の小説ですし……」

「だって、姫言葉で説明するの、ややこしいのよ!」

「……」


 じゃあ、簡単に説明だけしとくわね。

 昨日は肉をマリネしたでしょ? 今日たねをつくる作業。そして、明日はそれを焼く。

 興味ある方は、レシピみてちょうだい。


 というわけで、材料をこねた原型が完成ですわー!

 もう1日、冷蔵室にいれて寝かせまぁす。

 


――翌日――


 もうそろそろ、いいかしら。

 1日寝かせたことで、具材同士がエキスをしっかり吸って、なじんでるはずよ!


 これを、余熱しといたダッチオーブンに入れてふたをするだけ。

 中に水を張って、蒸し焼きにしするの。

 中火で、1~1時間半ぐらいで出来あがるかしらね。


――1時間後――


 もう、そろそろね。

 温度を測るために鉄串を入れて……

 うん、熱くなってる! 完成よ!

 熱を冷ましたら、試食してみましょう。


 10分おいて、冷ましたわ。

 時間が経てば、味が染みておいしいけど、出来たてを食べてみるわね。


「う~ん、トレッビアーン!」


 最高の出来だわ!

 肉のうまみとレバーの風味が絶妙ね!

 お肉も、2種類の食感があって幸せ。

 ピスタチオや松の実の食感も楽しいし、いい風味よ!

 赤ワインが欲しくなるわー。


「アルフォンソ、ガロアの赤持ってきてちょうだい」

「ウィー、ムッシュ!」


(アルフォンソが、地下からワインを持ってきた。ガロア製ワインは、木樽に入れて保管してるのだ)


「白ワインでも美味しいけど、アルミラージには赤よね! 飲みすぎちゃったら、明日の晩さん会、あなたがやっておいてね」

「それだけは勘弁です、ムッシュー!」



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今回のレシピは、独断で豚肉にしましたわ。

うさぎ肉は、あまり売ってないだろうし、という配慮なの。

でも、説明長くなっちゃた。ごめんなさい。おほほほほ


――レシピ(1本分)――


パテのたね:

・豚塊肉200g(ミンチ用)

・豚塊肉200g(ぶつ切り用)

・鳥レバー70g(ぶつ切り)

・玉ねぎ大1個(みじん切り)

・にんにく半かけ(〃)

・卵1個

・ピスタチオ5g(荒く潰す)

・松の実5g

・塩7g

・ナツメグ少々(粉末)

・ジンジャー少々(〃)

・クローブ少々(〃)

・オールスパイス少々(〃)

・コショウ少々(粗びきブラックペッパー)


・ポルト酒、マデラ種、ブランデー各10cc、砂糖2g(マリネ液)

・豚背脂、又はベーコン(パテを包む程度)

・ローリエの葉5枚



調理:

一日目

・豚肉を切らずにジップロックに入れ、マリネ液に浸す。

(ミンチを使うなら、液をすこしだけ入れ、混ぜて一晩寝かす)

・レバーはぶつ切りにし、牛乳につけこむ。


二日目

・テリーヌ型に背脂(又はベーコン)を敷きつめる。

・みじん切りの玉ねぎ、にんにくを炒める。

・豚200gをミンチに、残り200gを1cm角のさいの目に。

・レバーは水気をきっておく。

・たねの材料を全て混ぜる。(手の熱で脂が溶け出すので、手早く)

・型にたねを入れる。(ハンバーグ作る要領で空気を抜く)

・ローリエの葉を上に並べ、背脂を上にかぶせ、直接ラップをする。

・重しを置き、冷蔵庫へ。


三日目

・型を冷蔵庫から出し、常温にさらす。

・バットに型をおき、バットに水を8分目まで入れる。

・200℃オーブンで、1~1時間半焼く。

・鉄串を中に入れ、火が通っていたら、取り出す。

・余熱をとったら切り分け、出来上がり。


━━━━━━━━━━━━━━━━━

――クロス作品――

『ISEKAKU ~異世界格闘技に人類最強が参戦したら、どうなるのか?~』

連載中!!

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