第84話 森の人が願う事ってなんだろう

「お待たせしましたご主人様。」

ぱんつは変えなくていいんですか?

「ちょっと幸せ汁が出ただけなので大丈夫です!直ぐ乾きます。」

幸せ汁って…

「ミクも私も基本的な身体の構造は変わらない普通の女の子よ。お察し下さい。」

はあ。って君も同じなんですか?

「私の身体を散々見ておいて、その感想はないなぁ。」

君が勝手に脱いでるんですけどね。

「いいなぁミズーリ様、ご主人様に可愛がって頂いているんだ。」

「そうよ、ミク。毎晩、それはそれは美味しく頂かれているわ。気が遠くなっちゃうほど。」

「ご主人様ってミズーリ様くらいの…。」

待ちなさい姫さん。ミズーリの冗談に乗せられるんじゃありません。

「でも大丈夫ご主人様。私のおっぱいも控えめです。」

君、何言い出してるの?

で、なんで二人して涙目で膝ついてんの?

「私、そう言えば天界で女神してた時も…」

「私、これ以上膨らんでくれるのかなぁ。」

ごめんね。森の妖精さん。騒がしくて。

…いや、貴方も自分のおっぱいをペタペタ触って何してんの?何で3人で落ち込んでんの?


相変わらず話が全く進まない。へっぽこなのは女神だけでなく、皇女も、更に森の人も相当へっぽこらしい。

森の人は私に懐いてくれた様ではあるが、喋ってくれない。

こう言う時は、万能さん?


…万能さんが答えてくれない案件なのか。


ここで3人跪いているのを見てるのも割と面白いが、いつまでもこうしている訳にもいかない。

「そろそろ出発しますよ(貧乳三姉妹)」


こらやめなさい森の人、髪を引っ張らない。

ミズーリもポカポカ殴らない。

姫さんは訳もわからないのに、ミズーリの真似しない。

ミズーリはともかく、森の人にも考えただけで筒抜けになるのか。

「誰が貧乳三姉妹よ。私はミクや妖精さんと違って将来があるの!」

「ミズーリ様、それは聞き逃せません。私だってまだ成長期は終わってません。」

森の人もジェスチャーでミズーリに抗議している。

あゝもう。出発出来ない。

「そもそもトールはどのおっぱいを選ぶのよ。」

またコッチにきた。森の人は私に擦りつけない。ミズーリは脱がない。姫さんもミズーリに対抗しない!二人とも私の両手を持ってかない。

「揉め。」

「お揉み下さい。」

「…(どうですか)」

誰か助けて。


とにかく。兎に角。トニカク。

先に進むか、お昼にするか決めますよ。

「お昼。」

即答ですか、ミズーリさん。

「邪魔ばかり入って、どうせ先な進む事なんか出来ないんだから好きにするわよ。」

ですか。でしょうね。

では。

木々の上に家を展開すると、森の人を胸元に入れて姫さんを抱き上げるとジャンプ。

ミズーリがぴょんと飛んで家に入って来たのを確認し、家の視覚的にもステルス機能をONにした。

帰宅早々に調度品を見回すと、

「ねぇ。ダブルベッドをトリプルベッドにするって提案はどう?」

「み、ミズーリ様それは。」

「良いじゃん。3人で楽しめれば。」

はいはい。知らん知らん。

「万能さん、森の人は人のご飯を食べられるのかな。」

森の精気を吸収しているので、基本的に食事は取りません。が、人間の食事も食べる事は可能です。

「ならば甘い蜜などはどうだろうか。」

「ちょっとトール!」

「あのあのご主人様…」

うるさいからホレ。

座敷牢を解体して、材料を転用。

ベッドを広げてやると女子二人が飛び込んで行った。森の人があたふたしてるけど、君じゃ下手すると潰されちゃうよ。


今日は朝といい昼といい、ゲストがいる中での食事か。森の人もいる事だし、少しお菓子め(変な造語何個目だったかな)って言う事で、パンケーキを厚めに焼こう。

付け合わせに、カリカリベーコンにローストビーフ、温野菜ってところで。

鉄板を出して、薄力粉・ベーキングパウダー・牛乳・卵で作った生地を焼きます。

温野菜はブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤ、コーンをバターで鉄板炒め。アイスティー、牛乳、蜂蜜を飲み物として用意。


森の人様に小さな食器と小さなカップ・コップを出してあげると、おずおずと私の隣に正座する。うん、ちょっと食べづらそうだな。

森の人用の小さなテーブルセットも作ってあげる。鉄板上が焼けるまでのつなぎに、ミルクティー、蜂蜜牛乳の作り方を教えてあげると興味深そうに自分であれこれ調合を始める。パァっと顔だけで美味しさを表現すると黙々と飲み続ける。

「何よ何よ私達をほったらかして二人でいい空気作っちゃってて。」

「ご主人様仲間はずれは酷いです。」

君らが勝手にベッドで乳繰りあっているんでしょう。ほら、ご飯にしますよ。

「わーい。」

「わーい。」

「…(ばんざーい)」

全く、うちの娘達はもう。

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