第38話 インテリア充実作戦
はなしにならなかったので、ころしつくしてみましたまる
いやいやミズーリさん。もう少しこう。
「実際そうじゃないの。私達の話なんか聞こうとせず、いきなりよ、いきなり。なんで300人に矢で撃たれて槍で突かれて剣で切りかかられなくちゃならない訳?」
その程度じゃ私達に傷一つ負わせる事なんか出来ないんですけどね。結界というかバリアというか、私達の周りに張り巡らされてました。女神ミズーリの神力だそうですが。
「大体、私達死なないもん。あのままほっといても殺せる人いないけど、怪我とかしたら嫌でしょ。」
確かに。
「足元濡れてたし、足滑らせてすっ転んだりしたらカッコ悪いもん。私が。」
無慈悲な女神がいたよ。ここに。
実際の所、二人で色々考えて女神フラッシュをやってみた。ミズーリが神力を天空から降らせてみたのだ。普通の人間なら恐れ慄き逃げ出す、はずだったんだけどほぼ全員ショック死しました。
「そもそも宗教がないんだから、奇跡や迷信に対する抵抗力が低い世界なんだここ。失敗したなあ。」
一撃で一国の正規軍を全滅させた女神様ですが、私も全員の左足首を斬り落とす。
「?…なんで?」
「神様だから人を滅ぼすってあるあるネタかもしれないけど、私は君の相棒だからね。
私も責任を背負いたくなったんだ。」
……
……
「…トール。…貴方狡い。」
……
「背中貸して。」
そんな約束しましたね。
そのままミズーリは私の背中に顔を擦りつけ、何も言わなくなった。
そして私にしがみ付きながらここまで歩いて来た。歩きにくい。
小さな川の辺りである。人影も形跡も全くなし。何やってもバレないだろう。
「ここをキャンプ地とする。」
今日は私の番だった。毎日交代で宣言してる気がしたので。
雨は止んだけど、まだ草は濡れてるし何よりちょっと冷える。さっさとバンガローを展開して中に入った。
「ミズーリはまず風呂入って来なさい。」
何も言わずに風呂場に向かうミズーリだが、しっかり部屋の中で全裸になり、お尻をふりふり私に見せびらかしてた。アレなら大丈夫だろう。
というか、脱いだぱんつを私に片付けさせるな。
さてと、その間にいくつか弄ろう。
まずは電灯。ランタンさんがいるけど読書灯に転職して頂き、この部屋とトイレと風呂場に電灯をつける。電気は何処から引かれてくるかは不明。どうせ万能さんがやらかしているんだろう。風呂場をスイッチオン。
「なになになになに?」
よかった。ミズーリは元気そうだ。
そしてエアコン。暑さ寒さ調整は自由自在。
いくら常春の国でも寒い日くらいある。
なので23度くらいに設定。
ベッドも弄る。マットレスをちょいと高級品に交換。気持ちいいんだよね、これだけで。
あとは娯楽だなぁ。私には本棚が帰ってきたが、これは私の趣味だし、ミズーリの趣味とは別だろう。それに、ぶっちゃけ殆ど既読本なんだよね。あ、万能さんが落ち込んだ。
本棚で思いついたんだ。前世をトレースできたならソフトは持ち込めないか。放送や配信といったソフトは難しくても、DVDという形になっているものは出来るのではないか。
だからまず電化製品が万能さんで使えるかテストして成功した。ならば次はハードだ。
…大型モニターとBlu-rayが出てきました。
ソフトは、とあるレンタル店舗のデータがそのまま円盤として持ち出せて使えるようです。
参ったな、万能さん万能過ぎる。
このままでは私はミズーリとここで駄目人間になる自信がある。
「良いわよ。背徳と退廃の世界に身を委ねても貴方となら。どこまでもどこまでも。」
出てきましたかミズーリ。服は着てないけどバスタオルですか。子供のくせにそっちの方がいやらしいのは何故だろう。
「ねぇトール。エロいの無いの?エロいの。今なら私が無料でご奉仕するわ。」
元気になったならば着替えなさい。ご飯にしますから。というか、金取るつもりですか。
「家計と下半身の管理は妻の役目です。」
ハイハイ
「家計下半身管理で3Kです。」
やかましい
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