第51話
「このままゴロゴロしてたい〜」
ルアが2階のベッドで体を転がしながら、
イヤイヤ期になった子供のように嘆いている。
「お前からの提案のせいで俺が忙しくなるかもしれないんだから道連れだよ。道連れ」
「ゴロゴロするのもいいが、そろそろギルドに向かう準備をしなくてはな」
「…ルア…そろそろ…」
「?何言ってんの?ギルドに行くのは俺だけだぞ」
「「「…へ?」」」
なんでみんな着いてこうとしてるんだよ…
授業参観に来るお母さんポジかよって。
「引き抜きとかあったらどうするの?!」
「私たち…やっぱり心配」
「…監禁されるかもしれないのじゃぞ?」
皆が必死になって俺に着いてこうとしていて理由を並べている。
「一つ言っとくけど、俺は
一名違う気もするが、仲間は大罪で固めるって決めているからな。
「…ズルい」
「卑怯じゃな…」
「…はぅ」
女性陣は何故かピンクな雰囲気だ。
このままでは俺のムスコの貞操が危ないと、
感覚で悟る。(主にルアから)
「し、しかも!俺は神話級の竜種を倒せるんだぞ?監禁される方が可能性は低いだろ」
ギルドが神話級をゴブリン程度にしか見ていないとかいうヤバイ集団だったら別だが。
「…時に正論は人を傷つける…」
「ズルイし、正論論破お兄さんだし…まぁ、それがいいんだけどね」
「同じような境遇じゃからな…心配はするのじゃが…」
ルアは最後の方が、スティールは声が小さくてあまり聞こえなかったが、さほど問題はないだろう。
「じゃあ…行ってくるか…」
〜
裏道にあるスティールの工房への転移魔法の施された扉から出ていき、表に出ていく。
どうやってギルドで竜種を倒したことを報告しよう…
頭の中で緻密な計算が建てられる!
脳内に響く機械音に似た謎の幻聴!
「…あっ!俺文系じゃん」
高校では文系コースをとっていた。
理系でもない奴が計算得意だと思うなよ?!(偏見)
こういう時はノリと勢いが大事ってよう言うからな。
国都のギルドの重厚感はやはり慣れるものではないのかもしれない。
「いらっしゃいませ」
受付嬢さんが挨拶をくれる。
確か…
「あら、ケイトさん。薬草採取の時ぶりですね」
「いやはや…名前を覚えてもらっているとは…」
そうだ。薬草採取のクエスト成功を報告した人だ。名前は…そうそう、マリーさんだ。
「どのような御用件で?」
「モンスターの素材買取をお願いしたい」
クエストを受けていなくても素材買取はしてくれる。聞くところによると、ギルド側からしたら素材は余るほど持ってた方がいいという算段かららしい。
クエストは依頼主に、買取はギルドに、素材等が回される仕組み…らしい。
「承知致しました。お荷物はマジックバックでしょうか?」
この世界に【アイテムボックス】というスキルが俺以外使えないとしても、それの劣化版「マジックバック」は存在する。
容量に制限があったり、中に入れたものの時は止まらないという欠点もあるが、中に入れると重さを感じないという点で非常に重要なアイテムである。
まぁ、素材が素材で超高級品ばかりなので王族やら貴族やら大商人やらが持ってるぐらいだ。
「あぁ、少し多くてな。裏の解体場でも借りたいのだが、平気か?」
「かしこまりました。ちなみにマジックボックスなんて貴重なものどうされたんですか?」
少し怪しまれてるな。
「それが少し前に商人の乗った馬車がモンスターに襲われていまして、そこを助けたらお礼に…ともらったんですよ!結構便利でして…」
「どこの商人ですか?」
「駆け出しのところでハウラル商店ってところらしいですよ。帝国方面で出会ったんですけどね。ここいらだとまだ有名じゃないのかも」
「なるほどです…すみません。少し無駄話が過ぎましたね。ご案内します」
…信じてもらえたようだ。
受付でドラゴンの証明をするよりも解体場の方が少しは落ち着いて他人の目を気にせずに話せる。
ここからケイトの望む「平穏」は崩れ去っていくのは誰も、予想できないことであった。
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僕がこの前言った時間というのは
「確実」に投稿する日を言っているだけで、
他の日に投稿しちゃいけないなんてルールもありません。
確実に投稿する日は3000文字を達成します。
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