間章
第14話
今日もまた晃くんが外で頑張ってるなぁ…
今日も異世界で夢のような日々の中で私は私の夫である晃くんをリビングの窓から頬杖をついて眺めていた。
「私だって役に立ちたいのに…」
私も自己防衛のために自分から志願して彼から武術を習った。その中で、習っていくにつれ私は周囲の魔力に似た何かしらのエネルギーを自由に使うことができることを自覚していった。そのため、かなりのエネルギー効率が上がり全身の身体能力とエネルギーの力でゴリ押すことだってできるはずだった。
なのに晃くんが、
「俺はな、この世界で生きていく以外でもモンスターを屠ってきたんだ。それはな嫁さんに怪我させないために戦ってるのもあるんだ。俺はあんま気にしたことはないけど好きな人が、ましてや女の子が顔になんか傷が残っちゃったら嫌だって言う子もいるって聞くんだ。だから君を守るため、見ててくれないか。俺がもっと強くなって光を守れるようになったら俺は君のことを守れるくらい強くなったら、そのとき、一緒に戦おう。その時は、傷一つ付けさせないから。」
傲慢。人からしたらそうとれる言葉でも、
私は、そんなことを言ってくれて嬉しかった。
あぁ、幸せだ。と思えるくらいには。
いつもと変わらないような毎日の中。
私の中に突如、脳に直接言葉を並べられるような不快感が現れる。
『…〜✖️◯…』
なんと言ってるかがわからず、ひたすらに不快感が私を襲う。
その不快な声が聞こえた途端、私の体は崩れるように倒れ、意識が混濁していくのだった。
「…っう!」
その瞬間体に大きな衝撃を食らうような錯覚を覚えた。体の周り、空気のような物質がとてつもなく多く、体中から吸収されていくのがわかる。
それが「魔素」だと言うことに気づくのは容易だった。
-それからものの1分を満たすくらい経ったあと私の王子様が、また、現れたのだった。
その時私がなんと言っていたのかはよくわからなかったが、確実に私に理解できたこともある。
「光、少し長い別れかもしれないけど君を絶対助ける。待ってろよ。」
今度は助けるよ。と言葉を呟いていたのも逃さなかった。やけにその声は大きく聞こえて、私の混濁した意識でもその透き通る声はよく、聞こえたのだった。
体が上手く動けない。どおして彼に抱きつくことさえできないのだろう。これで別れになってしまうと言うのに…
けど、彼ならまた、会える。そんな自信が私にはあった。
「またな。」
彼が再会の言葉を言った途端私の意識は居合で斬られたような刹那に消えていったのだった。
そのあとのことはよくわからなかった。
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間章もこれにて終了です。2章からはすごいタイトル詐欺になるかもですが、弱小ながら見るものを選ぶ小説でもいいかななんて思っております。
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