#16 彼女にとっての再会



イクミの家に帰り、上着を脱いで手洗いウガイを済ませてイクミの部屋に入ると、イクミは暖房を付け、そして部屋の隅に畳んである布団を部屋の中央に広げた。


その様子を見ていたら「コッチ来て」と呼ばれ、イクミの傍まで行くとお互い向き合って立ち、首に両手を回されガッチリホールドされてキスされた。

イクミの舌が僕の口の中に入って来て暴れまわった。


息が吸えなくて苦しくなって、何とかイクミの口から離れ、間近に迫るイクミの顔を見ると、完全にスイッチが入った目をしていた。


「服、脱がせて」と言われイクミの服を脱がせる。


1年半前に初めて見せてもらい触れたイクミの乳房。その後何度も何度も一人で思い浮かべ、ずっと恋い焦がれたその豊満な乳房が、僕の理性をぶっ壊した。






*







久しぶりのセックスはお互いこれが2度目だったが、初めてだった前回からかなり空いていたせいもあり、初めての時のように最初は四苦八苦した。

それでも無事終えて落ち着くと、「コッチに居る間は毎日しようね」とイクミは言ってくれた。



二人で裸のまま布団に包まって色々話した。


イクミは、元旦の朝再会した時のことと、それ以前のことを教えてくれた。



「去年の正月は、私が転校して間もないのに受験が控えてたからコッチには帰ってこれなくて、お盆休みも都合が付かなくて、それでこの正月が引っ越ししてから初めての帰省だったの。


それで今回帰省する話聞いてから、アカリのことばかり考えてて、会いたいなぁ、でも私から振ったのに会いになんて行けないしなぁ、偶然会えたりしないかなぁって、自分でも夢みたいなこと考えてバカだなぁとか自虐しちゃうくらいで「アカリに会いたい、でも会えるわけない、ムダな期待するな」ってそんなことばかり頭の中ぐるぐるしてて、実際帰って来ても何もすることないし、家でゴロゴロしてたの。


ママは「久しぶりなんだから、中学の友達にでも会ってきたら?」って言うんだけど、アカリ以外に会いたい人居なかったし、出かける気も起きなくて、元旦の朝も起きるのダルくて布団の中でぼーっとしてたの。


それで、時計見たら10時近くで朝ごはんもまだだったから、そろそろ起きるかぁって起き上って、部屋のカーテン開けたのね。


そしたらさ、ガードレールにもたれて佇んでる人が窓から見えたんだけど、意識して見たわけじゃないから最初そのままスルーしかけたんだけど、ん!?って思って2度見したら、その人がどう見てもアカリっぽいの。


それで慌てて外に飛び出して、外出てから見てもやっぱりアカリにしか見えなくて、「なんでアカリがココにいるの!?まさか私に会いに来てくれたの!?」とか色々考えならゆっくり近づいて恐る恐る声かけたんだ。


それでアカリが顔上げてくれて、その顔見たらもうダメで、涙ボロボロこぼれて止まらないし、頭の中も「アカリに会えた!アカリに会えた!」って大合唱で、アカリが話しかけてくれても全然頭の中に入ってこなくて、必死に「落ち着け!落ち着け!」って言い聞かせて、もう絶対失敗しちゃダメだ!これが最後のチャンスだ!って、このチャンスは絶対に逃がしちゃダメだ!って。ちゃんと話そう!自分の今の気持ちを伝えよう!って決意して、それでデートに誘ったの。


その後がもっと大変だったけどね。

家に戻ってシャワー浴びようとしたら、私パジャマのまま外出てたのに気がついて、しかもスッピンで頭も寝起きでぐちゃぐちゃだし、久しぶりの再会でどんだけブサイクな姿見せてんだよー!ってすっごい凹んだ・・・。

だからあの日もう一度アカリが来てくれた時は、汚名返上したくて滅茶苦茶気合入れてメイクしたの。でもすぐ泣けてきちゃって結局ボロボロになるし、もう一度付き合おうって言うのもアカリの方から言って貰っちゃたし」




イクミの話を聞いていたら、僕の為に必死になってくれたイクミのことがどうしようもないくらい愛おしく思えて、今度は僕の方からイクミにキスして、イクミの口の中を舌でむさぼった。

イクミもそれに応えてくれて、そのまま2回戦目を始めた。






*






今度はすんなり出来た。

イクミも気持ちよく出来たみたいだ。

(え、演技じゃないと信じたい・・・・)


3日間一緒に過ごし、デートにも出かけ、そしてセックスしてこうして裸で抱き合っているので、お互い再会した時のような硬さは完全に無くなっている。

むしろ中学の時よりも、遠慮が無くなってる感じがする。


僕の場合は、別れてた間に(あーすればよかった、こーすればよかった)っていう後悔ばかりしてたので、遠慮なんかしないで積極的に行く!と意気込んでいるのもある。冬休み終わったら、また離ればなれになってしまうしね。


イクミはイクミで「アカリのことは誰よりも私が一番解っている!」と、離ればなれだった時間などまるで無かったかの様に僕への理解を示してくれている。


なので、ぶっちゃけ聞いてみた。

『イクミからエッチするの誘ってくれたけど、僕に気を使って無理してるとか無い?』


「そんなの無いよ? アカリに会って、抱き合ってキスしてたら、もう我慢出来なくて、でもパパもママも居たから、早く二人っきりになれるの待ち構えてた」


『えっと・・・イクミって結構エッチ好きなの? そういえば中学の時もイクミから誘ってくれたよね・・・?』


ちょっと怒り気味に

「ダメなの? 私だってエッチなこと興味あるよ? ていうか、別れてた間だってどんだけアカリのこと考えて一人でガマンしてたか。 だから、ヨリ戻せてちょっと気持ちに余裕出来たら、どうやって誘う。いつ誘おう。ってエッチすることで頭一杯だった・・・かな?」


どうやら、イクミさんは肉食系でした。


「アカリは、エッチな女の子は嫌い・・・?」

ちょっと目が怖いですよイクミさん・・・


『いえ、大好きです・・・』


「ならヨシ!」



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