#17 彼女の母は策士?



ミワとイクミが会うのが、明後日の5日になった。


因みに、今日はこのままイクミの家に泊まることになり、そのまま明日も二人で過ごしたいとイクミに言われ、限りある二人の時間を優先した。


イクミのご両親が帰った途端、泊るのはどうかと思ったけど、イクミが言うにはお母さんに「避妊はちゃんとするのよ。パパには内緒ね」と言われているそうだ。こちらで過ごす為の生活費には避妊具の費用も含まれているとのこと。


僕が言うのもなんだけど、高梨家の僕に対する歓迎具合が天井知らずで、ちょっと怖い。

中学の時も良くして貰ったけど、明らかに違う。

ご両親に気に入れられるような心当たりが無いので、イクミに聞いてみても「内緒♪」と言って何も教えてくれないし。

まぁ、調子に乗ってご両親に嫌われたりしない様に、気をつけよう。




5日は、イクミが僕の家に久しぶりに行きたいと言うので、じゃぁその日にミワも呼ぼうということになった。

その辺りの話をミワにメールし、ミワからも了解の返事を貰った。


そして、イクミは6日にあちらに戻ることになった。

イクミの学校は7日まで冬休みだけど、僕の方が6日までなので僕に合わせてこの日までとなった。






この日の夕方、イクミが手料理を作ってくれるというので、僕も手伝った。


イクミはカルボナーラを作ってくれた。

「料理は普段ほとんどしないから、不味かったらゴメン」と言っていたけど、普通に美味しかった。

カルボナーラって、簡単な料理じゃないよね?



食事をしながら僕はイクミに『出かけない時とか二人で居る時は、僕に気を使ってメイクする必要ないからね。スッピンでも凄く可愛いんだから、メイクに時間かけるならイチャイチャしてたい』と言うと「じゃぁ明日はメイクしないでおくね。寝起きの顔見てガッカリしないでよ?」と何とか了解してくれた。


中学の時から、イクミは人一倍オシャレとか流行とかに敏感だった。

ガッツリ体育会系なのに、常に髪型や身だしなみを気にして、しょっちゅう手鏡でチェックしてた姿を記憶している。



因みにミワは、リップくらいは塗っているようだが、普段からほぼスッピンだ。

それでも、誰もが羨む程の美少女だから良いのだろうけど、僕と二人で居る時は一切オシャレはしないし、最近だと寝ぐせがあっても気にしないので、僕がくしで梳いてあげたこともある。


その代わり、学校や他人の前では完全な猫を被る。

口調も声のトーンも違うし、暴れることも無い。


多分、イクミが知っている過去のミワの姿って、猫被ってるほうだ。

僕と和解した頃も今思えば随分大人しくて、中学の頃のイメージとそう変わらなかった。

友達と言いながらも、イクミの前でも素が出せなかったんだろうな。

そういうところが、きっとミワの不器用なところなんだと思う。



食事の後は、イクミがスマホに慣れるために、二人でスマホを色々いじって過ごした。


お風呂入ろうか、という話になったとき「一緒に入ろ?」とイクミの方から誘ってもらえ『え?一緒でいいの?』と聞くと「シャワーだけだし、どうせ今更でしょ?」と。


実際に二人で脱衣所に入ると、イクミはなんの躊躇も見せずにガバっと脱いで素っ裸になり堂々とその裸体を僕に見せた。


お風呂では、お互い立ったまま体を洗いっこした。

イクミは僕の脚の傷跡に興味を示して、ここだけはスポンジを使わず素手で洗ってくれた。


僕の方も、セックスの時はよく見えなかったところも包み隠さず見れて、改めてイクミのスタイルの良さに感嘆した。

お風呂場でいちゃいちゃしているとムラムラしてきたが、イクミの方はそうでも無かった様で、さっさとお風呂から出て行った。



寝る時は、イクミの部屋で1つの布団に二人で抱き合って寝た。


寝る前、エッチなことはしなかった。

今日は久しぶりのセックスだったのでイクミの調子も心配だったし、イクミも「今日はほどほどにして、明日は1日あるから明日一杯しよ?」と言ってくれ、僕も明日に備えて温存した。









朝、目を覚ますとイクミは既に起きていて、僕の顔をじっと眺めていた。

目が合うと、イクミは「おはよう♪」と言って、朝っぱらから激しいキスをしてきた。


キスをしながら頭が覚醒してきて、僕からも仕返しとばかり舌を激しく動かした。


キスしながらイクミのパジャマに手を潜らせて、ノーブラの胸を直接触った。


一度口を離すと「する?」とイクミが言うので『したい』と答えた。







*








事が終わって後始末を終えると「朝ごはんの前にシャワーあびよ?」と言うので、昨夜のように二人で一緒にシャワーを済ませた。



朝食は焼いたトーストで済ませ、その後はイクミの部屋でごろごろしたり、スマホをいじったりしながら過ごした。


部屋ではイクミは、僕にもたれ掛かったり、腕を絡ませたり、抱き着いたり、ほっぺを突いてきたかと思えばキスしてきたり、常にボディタッチをしていて、僕も甘えたいだけ甘えさせてあげた。



昼ごはんは外に出て、ファミレスで済ませた。


イクミの家に帰ると、再びエッチを始めた。

この辺りからお互い余裕が出てきて、行為中も会話をするようになった。

会話と言っても、エッチなトークだけど。


夕方、イクミの作ってくれたうどんで晩御飯を済ませて、その後もう1回戦して、この日は帰ることにした。



帰る前に明日迎えに来る時間を確認し、玄関を出るといつもの様に自転車の所までイクミは送りに出てきてくれ、この日はイクミの方から僕に抱き着いて「おやすみ」のキスをしてくれた。





自転車で帰りながら、今日のイクミとのエッチを思い出しつつ

『こんなに満たされた時間を過ごしていると、イクミがまた向こうに戻った後の喪失感、やばそうだな・・・・』と不安になってきた。






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