#9

弟「行っちゃった・・・。 





  僕たち・・・おばけ?  


 


  あの人・・・なんて言ったの?」











妹「こっちに来ないでって・・・。」














 「あぁ・・・何て言ったんだろうな・・・。」






 「兄さんには・・・何も聞こえなっかた・・・」






 「何も・・・聞いていない・・・」











 


 足元からゆっくり、








 じわじわと立ち込める、








 黒い瘴気しょうき・・・・・。









  足元が重い・・・・












  冷たい・・・・














  ダメだ・・・・














  取り込まれてしまう・・・・



















  思い出すな・・・・










   ダメだ・・・・








  飲まれるな・・・・。


















――――――幼い頃、まだ弟が生まれたばかりで、





      一人で外へ遊びに行った時の事















わぁー!!川がキラキラして光ってる!





時々ピョンと跳ねるのは魚かな?



お父さんと捕まえに来よう!



お花もこんなにたくさん咲いてる!



これはお母さんに持って帰ろっと!







ただひたすらに、目に映る景色にワクワクしながら歩いた。










・・・・










すると、これまでに見たことがない場所へと辿り着いた。




何もなかった川岸に突然現れた一軒の家。








(あれ?ここは・・・?)









(人のお家・・・?)









しかし物音はひとつもしない。








誰もいないみたいだ・・・。


















続・・・・・



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