#6










家へ駆け込み、





自分の名が刻まれた弓矢を背負い、





あるだけの護符を手に取り飛び出した。





























































そして、











ふっと息を吐き、














自分の身体にまとわせた波動を開放すると、





全身に巻き付く大きな珠の連なった、





数珠じゅずのようなものが現れた。









































「落ち着け・・・」
























































父さんはこれを、





まるで宙を舞うように飛び回り、





魔の物の本体と無数に伸びる手へと巻き付け、





魔の物の動きを封じ、





護符とともに弓を放つ。














そして母さんが





放たれた弓と同時に呪詛じゅそを念じると、





護符に強く鮮やかな光が、炎のように立ちあがり





魔の物はその光にのまれて燃え上がり、





滅されていく。














この闘い方を、何度も見てきた。



































「何度もこの目で見てきたんだ・・・」















































今まで一度だって、





自分は戦闘には加わらせてもらえずにいた。











下の兄妹達を護る結界と、





負傷してしまった者の治療だけに力を使ってきた。


























しかし今は自分が、





父さんたちが二人でやってきた事を、自分一人で









「やるんだ・・・・」
























































出来るだろうか・・・?





























いや・・・





やらなければ・・・・。












































今、自分以外に誰がいる?


















































数字を有する、力を持つ者は・・・















































僕だけなんだ・・・



























































けれど・・・・








出来ることなら・・・


























誰か・・・・
















































頼りたい・・・






































仲間を呼ぶ呪詛じゅそを発動出来る程の鍛錬たんれんが、





自分に出来ていれば・・・

















誰か・・・・・




















父さんや母さんの仲間がこの状況に気づいて・・・・・








駆けつけてくれたなら・・・・・




































































すがりたくなる、














自分の頭の中に何度も浮かぶ、














誰かという救世主を、
















たらればを、


















無理やり意識の奥のほうへ押し込んで

























魔の物へと向かって、走った。












































 続・・・



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