#4

「父さん!!!!」  「母さん!!!!」





「なんで魔の物が!?」





「封じの儀は昨日で終わったはずだろ?!」








父「なぜなのかは・・わからない・・」





父「結界にほころびがあったのだろう・・・」





父に続き母が言う





母「ここから・・・すぐに離れなさい・・・」と。
















「ここから離れろって言ったって・・・



 弟たちが・・・





 里の人間も・・・。」










父「仲間を・・・呼ぶすきが無かった・・・」







父「祓いきれなかった魔の物が・・





  まだ近くに隠れている・・・」























「そんな・・・」





























「どうすれば・・・?」


























思考が追い付かずにうろたえていると、

















父さんの言葉通り、











全身に黒いもや瘴気しょうき)をまとい、














その瘴気しょうきを辺り一帯に放ち続ける魔の物が





























突如とつじょとして姿を現した。
































人間のように二本の足で立ち、





無数に生えた手のようなものが





空をつかむように四方八方へ向けうごめいている。






自身の瘴気しょうきに埋もれた目玉は、





人の里の方をぼうーっと見つめている。











「ぅ・・わ・・・」











この黒い瘴気に触れると、





力を持たぬ普通の人間であればあっという間に





全身が黒く染まり、まるで土のようにボロボロと





身体が崩れて消滅しょうめつしていく。














しかし、


それを食い止めるすべと力を持ち、





魔の物とたたかすべと力をも持つのは、





神より力を授かったとされる身体に数字を有した者のみ。































呆然あぜんとして、











ただただ見上げてしまう。














こんなにも、

















強大きょうだいな存在であっただろうか・・・・














恐れていなかったわけではない。





しかし、





父母のたたかさまを見ていた頃は、





魔の物をこの世から祓うことが出来て当たり前だった。





あれよあれよという間に、





めっされていく魔の物に、





当然の成り行きのごとく感じていた。





多少の負傷はあれど、





必ず祓う方法が、





二人の放つ呪詛が的確に効いていた











はずだった・・・。












不意に思い出しハッとする。











――――ここへ来る途中、里の人間を見た・・・。



























































 続・・・

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