# 3

―――――半刻ほど前―――――――


 


 


 


川で下の兄妹を遊ばせながら、里から来る友人を待っていた。


 


 


 


 


すると


 


突然聞こえた不気味な音と、


 


漂う異臭。


 


 


 


 


 


 


それに


 


首元の数字がズキンと痛む。


 


 


弟と妹も「痛いっ!」と首元に手を当てる。


 







これは、魔の物が現れた時の特徴。


 


家族の内、誰かが戦闘せんとうを開始しているしらせだ。


 


 





しかし、封じの儀は昨日終えたばかり。


 


 


そんなはずはない。


 


 


 


 


そんなはずは・・・


 





 


けれど、首物の痛みは強まるばかり・・・。


 







って・・ぇ・・」


 



 


 


ついには痛みにえかねて片膝をついた。


 


 


 


まさか・・・と思い、


 


 


 


 


家の方に目をやると


 


 


 


家の先



 


赤い橋の向こう、


 




いつもより濃い白いもや中に大きな黒い影が複数。


 




 


 「嘘だ・・・・ろ」









 


「魔・・・の物・・・が・・・なぜ?」


 




 


 

 


 


胸騒ぎがした。


 


 


 


 


 


弟と妹に


 


「ここに居ろ。いいな?ここで、これから来る友人を待つんだ。


 


 兄さんは、少し家のほうを見に行ってくるから。」


 


 


 


そう言ってすぐに僕は駆け出した。


 












「まさか・・・・」


 


 


「結界は?・・・


 


 


 封じの儀は・・・・?


 


 


 どうして・・・


 


 


 何が・・・?


 


 


 


 いったい・・・」


 










 


家にたどり着くと、


 


最高等級とされる〝いち″の力を持つ父さんと母さんが


 


魔の物と対峙たいじしていたのであろう


 


 


 


ちりとなっているたくさんの護符の欠片かけらと共に


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


倒れていた。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 








 


首元の痛みも、


 


 


 


この目に見えている黒いもやも、


 


 


 


 


 


現実だった。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 続・・・

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